相続税 2020.08.31

子供の相続税は免除されるのか?未成年者が相続する場合の注意点と併せて解説

相続税対策について検討していると、ふと疑問に思うことがあります。
それは子供の相続税です。
相続はいつ発生するかわからないので、場合によっては赤ちゃんが相続人になることも十分考えられます。
そこで本記事では、子供や赤ちゃんの相続税が免除されるのかについて詳しく解説します。

記事ライター:棚田行政書士

子供にも原則として相続税がかかる

結論からいうと子供にも他の相続人と同様に相続税の納税義務者となるので、相続税を納税しなければなりません。とはいえ、赤ちゃんなど未成年者が相続人になるケースでは、実質的に本人には収入がないので、通常通りの相続税負担を強いることには無理があります。

そこで、相続人が未成年者である場合については、一定の条件を満たすことで相続税が一定額免除されるのです。

子供の相続税が免除されるケース

相続人が以下の条件にすべて当てはまる場合は、課税される相続税から一定額が控除される未成年者控除が使えます。

・相続または遺贈によって遺産を取得している
・未成年者が法定相続人である
・遺産を取得した時点で20歳未満である
・遺産を取得した時に日本国内に住所がある

遺産を取得した時点で20歳未満であればよいので、その年に20歳になる人でもまだ誕生日が来ていなければ未成年者控除の対象となります。

未成年者控除で免除される金額

未成年者控除に該当する場合は、以下の計算式で求められる金額まで相続税が免除されます。

未成年者控除=(20歳-相続した時の年齢)×10万円

相続した時の年齢については、1年未満を切り捨てで考えます。

例えば、6歳1ヶ月だった場合、次のようになります。

(20-6)×10万円=140万円

よって、140万円まで相続税から差し引かれることになります。

他の相続人にも影響あり

このように未成年者控除は課税対象となる金額の控除ではなく、税額控除なので節税効果が非常に高い点がメリットです。

しかも、この免除は他の相続人にも影響を与える場合があります。

例えば先ほどのケースで、未成年者に課税される相続税が100万円だったとします。

すると、未成年者控除はすべて使いきれずに40万円が残ることになるのですが、この分を未成年者の扶養義務者が負担する相続税から免除されるのです。

例えば、成人している兄がいて負担すべき相続税が100万円だった場合、未成年者控除の余りである40万円が免除となり、納税額が60万円になります。

このように未成年者が相続人にいる場合については、本人だけでなく扶養義務者の相続税も免除される可能性があるので、計算する際には漏れのないよう気をつけましょう。

未成年者の相続税申告

未成年者控除を使って相続税がすべて免除されるケースでは、相続税申告自体が不要となります。同じような相続税の免除制度で配偶者控除がありますが、こちらは相続税申告が必要なので混同しないよう注意が必要です。

 

未成年者が相続する場合の注意点

未成年者が相続する場合、相続税は大幅に免除されるので安心ですが、実は手続きの部分で注意しなければならないことがあります。

それは特別代理人の選任です。

通常、未成年者にとって重要な決定事項は親権者である親、つまり法定代理人が決めることになりますが、遺産分割においてはこの取り扱いが変わってきます。

例えば、夫が死亡し母親と未成年者である子供が相続人である場合、母親と未成年者は相続人という関係において母親が代理人になって決めてしまうと、母親にとって都合のよい遺産分割になってしまう恐れがあります。

そこで、未成年者が相続人になる場合において親も同じく相続人になるケースでは、未成年者の代理人となる人を特別代理人として家庭裁判所に選任してもらう必要があるのです。

特別代理人は弁護士に依頼することもできますが、相続人ではない親族などにお願いしてなってもらうこともあります。

重要なことは、親だからといって勝手に遺産分割を進められないということです。

この仕組みを知らずに、親が勝手に子供の代わりに署名捺印をして遺産分割協議書を作って名義変更の手続きなどをしようとするケースが時々あります。

特別代理人の選任がないまま話を進めても、結局やり直しになってしまいますので、相続が発生して自分と自分の未成年の子供が相続人であるケースについては、できる限り早めに特別代理人選任の申し立てを家庭裁判所に行いましょう。

 

まとめ

未成年者の相続税負担は未成年者控除によって免除されますので、よほど高額な相続税が課税されなければそこまで心配する必要はありません。

また、余った控除額については扶養義務者の相続税からも免除となる部分も覚えておきましょう。

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