土地・不動産 2017.11.09

遺産相続で土地を相続して困ったときの対処方法

遺産相続で土地を取得した場合、あなたにとって有益な土地もあれば、「 遺産相続したくない」と思うような土地もあるでしょう。
この記事では、遺産相続で土地を取得した場合に、役立つお得な知識を学んでいただければと思います。

記事ライター:朝陽行政書士事務所

好ましくない土地を遺産相続した場合

突然の遺産相続で、父母の土地を相続したとします。遺産相続で土地を取得したと聞くと、すごく得をしたお話のようですが、本当にそうでしょうか。田舎の農地を手に入れた場合、管理が大変です。また、宅地であっても廃屋が建っていて危険な状態だったりするかもしれません。

処分のしづらい土地を遺産相続した場合、どうすればいいのでしょうか。

相続放棄という手段もありますが、土地だけの放棄はできません。その場合、遺産相続できるはずの他の土地や現金など、全ての財産を放棄しなければいけなくなります。

では、放置してしまった場合はどうでしょうか。その場合にはまず、固定資産税がかかります。しかも放置しておけば雑草が生え、近隣からクレームが来ます。農機具小屋や蔵などがあった場合、朽ち果てて倒壊すれば誰かが怪我をするかもしれません。また、近隣の住宅を損壊するかもしれません。

このように、土地の遺産相続には思わぬさまざまなリスクが考えられます。そのような問題のおきやすいケースと、その対応策を見ていきましょう。

(1)農地

農地を遺産相続した場合、宅地に変えて使おうと思っても、農業委員会への申請には、その土地に何かを建てて使用するなどの具体的な計画を必要とします。だからといって売却するには農業委員会の許可が必要です。そのうえ、買ってくれる方を探さなければいけません。

( 対策 )
●遺産相続した土地を売却する方法
遺産相続時の届出の際に、農業委員会へ売却のあっせんを申し込みましょう。特別控除などの特例を受けることがある可能性もあります。自治体があっせんを行っていない場合や、あっせんが不調に終わった場合は、農業委員会に困っている旨を相談してみましょう。

●誰かに貸し出す方法
無理に売却しなくても、誰かに貸し出して利益を出す方法もあります。
・農地をそのまま農家に耕作地として、農業委員会の許可をとって貸し出す方法があります。この方法であれば、遺産相続した土地の管理に手がかかりません、管理は借り受けた農家がやってくれます。

・「市町村の農地利用集積計画」を利用して貸し出す方法があります。農業委員会の許可は必要ありませんので便利な方法です。市町村の窓口で問い合わせてみてください。

・市民農園を作って貸し出す方法もあります。農業委員会の許可は必要ありませんが、管理に手がかかりますので相続財産の土地が遠方の方にはお勧めできません。

●アパートなどにして管理会社に委託して貸し出す方法
遺産相続した土地の遠方に住んでいる場合に便利な方法です。この方法なら行政書士などのプロに頼めば、遺産相続した土地の農地転用も可能です。継続した家賃収入が見込まれます。

(2)宅地の倒壊しそうな古民家

遺産相続した土地に建っている被相続人( 亡くなった方 )が住んでいた家が、シロアリ等の被害で売却できない状態であったり、撤去に多額の費用がかかりそうだったりして、お金が用意できないというケースがあります。

相続財産の家屋の撤去費用は、残っている家財や資材によって全く違ってきますし、建設会社の見積もりを何社か取る必要がありますが、安くても200万円くらいから、高ければかなりの額が見込まれます。

( 対策 )
国土交通省のホームページにも記載されていますが、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が平成26年に成立しています。この法律は、遺産相続した相続人が、使う見込みのない古い住宅を空き家として放置することにより生ずる、周辺の生活環境に悪影響を与えることを未然に防止するものです。

使える空き家は利用し、使えない空き家は除去するといった観点から、使う見込みのない空き家やその除去後の敷地の流通による有効活用を促進し、空き家の発生を抑制することを趣旨としてできました。

その具体的内容には、「相続人が、遺産相続により、生じた古い空き家又は、当該空き家の除却後の敷地を平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡*(注1)した場合、譲渡所得から3000万円を特別控除する」と明示されています。

*(注1) :相続以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合に限る。

今ならば、この制度を利用して対策すれば、遺産相続した土地を売却することで現金化できます。市役所の受付に相談すれば、建設課などに取り次いでもらえる可能性がありますので検討してみてください。

 

まとめ

この他にも、相続財産の土地で処分に困るものの代表例には、山林などがあります。しかし、山林もやり方によっては立木の売却という方法もあります。

農地に関しても、やり方次第では相続財産の土地の近くに居住していなくても、資産形成に使用できる方法はいくつもあります。厄介な土地を遺産相続したと思ってあわてて手放す前に、プラス思考でいろいろ考えてみないと、後々後悔することにもなりかねません。

この記事を参考にして楽しく活用方法を考えてみてください。

関連記事

土地・不動産

相続したマンションの管理費は誰が払う?相続人がいなくなったらどうなる?

マンションを相続する相続人に支払い義務がある 相続とは、被相続人が生前に所有していた財産や義務、債務をすべて受け継ぐことです。遺言書が見つかれば、その内容に従って財産を相続すると同時に、相続財産に応じ ...

2018/11/16

土地・不動産

相続した土地を3年以内に売却するメリットとは?

3年以内なら「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を適用可能 相続した土地を、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、売却時の「取得費」に土地にかかった「相続税」を加算できるという特例があり ...

2018/11/13

土地・不動産

相続した土地の売却益を分配するための流れとトラブル対処法

相続した土地の売却価格を調査する まずは、相続した土地が実際にはどれくらいの価格で売却できそうなのかを探りましょう。調査方法は簡単です。不動産情報サイトなどで、相続した土地の近隣地域にある、似たような ...

2018/11/12

土地・不動産

家を相続するには!? 相続登記の方法!

相続登記は、できればしておいたほうが無難 相続登記は、いわゆる名義変更です。ですが、しなくても特に問題はないのです。法的な義務はありません。たとえば、その家を売ろうとしたとき、そして、建て替えをするの ...

2017/10/03

土地・不動産

相続登記申請書の書き方について

相続登記申請書の書き方 相続登記自体は自分でも申請することが可能です。その際には相続登記申請書と複数ある必要書類を添えて、不動産の所在地を管轄する法務局に提出する必要があります。 それでは、相続登記申 ...

2017/10/02

土地・不動産

相続登記の費用はいくらかかる?その内訳とは?

相続登記ってそもそも何? 相続に伴って不動産を取得した場合に、その名義を被相続人の名義から相続人の名義に変更する手続きのことを一般的に「相続登記」と呼んでいます。 ただ、正式には相続登記という登記手続 ...

2017/10/02

Copyright© 相続メディア nexy , 2018 AllRights Reserved.