土地・不動産 2018.01.24

相続した不動産に不動産取得税はかかる?

不動産に関しては様々な税金が設けられていますが、不動産取得税という税金があるのをご存じでしょうか?不動産取得税は、不動産を取得したという事実に注目して課税される税金になります。不動産は購入する以外に、相続で取得するケースも多いと思います。ここでは、相続で不動産を取得した場合に、相続に不動産取得税がかかるのかどうかについて説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

不動産取得税とはどんな税金?

・不動産取得税の概要

不動産取得税とは、不動産を取得した場合に課せられる地方税で、都道府県が課税主体となって徴収しています。不動産取得税は不動産の所有権の取得に対して課税されるもので、不動産の借地権を取得しても不動産取得税の課税対象にはなりません。

不動産取得税は、不動産を取得したとき1度だけ納める税金で、固定資産税のように毎年発生するものではありません。また、取得した不動産をすぐに手放した場合でも、1日でも不動産を所有していたのであれば、課税対象となります。

・不動産取得税の課税標準と税率

不動産取得税の課税標準は、固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)とするのが原則となっています。標準税率は4%となっていますが、土地と居住用家屋については、平成30年3月31日まで標準税率を3%とする特例が設けられています。

・不動産取得税の納税義務者と徴収方法

不動産取得税の納付義務者は、不動産の所有権の実際の取得者となっています。徴収方法は普通徴収となっており、都道府県から送られてくる納税通知書によって納付することになります。

・不動産の取得とは?

不動産取得税の課税対象となる不動産の取得については、有償・無償を問わないとされています。登記の有無も関係なく、実質的に不動産の所有権が移転しているのであれば課税対象となります。

通常の売買、贈与、交換などによる不動産の取得には、不動産取得税が課税されます。また、家屋の改築については価格が増加すれば課税対象となり、家屋の増築については常に課税対象となります。

なお、相続による不動産の取得については、不動産取得税は課税されない扱いとなっています。取得者が国等である場合や、公共性が高い用途に供される場合にも不動産取得税は非課税となります。

 

相続・遺贈と不動産取得税

・遺贈の場合の不動産取得税はどうなる?

上述のとおり、相続による不動産の取得については、不動産取得税は非課税となっています。一方、遺贈については不動産取得税が課税されるケースがあります。遺贈で不動産取得税が課税されるかどうかについては、次のようになっています。

(1) 包括遺贈の場合
包括遺贈とは、相続財産全体に対する割合を指定して遺贈する方法です。たとえば、「遺産の3割をAに遺贈する」と遺言書に書くと包括遺贈ということになります。

包括遺贈により不動産を取得した場合には、受遺者(遺贈を受けた人)が法定相続人であってもなくても、不動産取得税の課税対象にはなりません。

(2) 特定遺贈の場合
特定遺贈とは、特定の財産を指定して遺贈する方法です。たとえば、「○○の土地をBに遺贈する」と遺言書に書くのが特定遺贈です。

特定遺贈の場合には、受遺者が法定相続人かどうかで不動産取得税の課税対象となるかどうかが変わります。受遺者が法定相続人の場合には不動産取得税は課税されませんが、受遺者が法定相続人以外の場合には不動産取得税が課税される扱いになります。

 

相続時精算課税と不動産取得税

・相続時精算課税とは

相続時精算課税とは、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子や孫に贈与を行う場合、2500万円まで贈与税を非課税にできる制度です。ただし、相続時精算課税を選択した場合には、将来の相続時に贈与財産と相続財産を合計した金額をもとに相続税額を計算し、既に支払った贈与税額を控除して精算を行います。つまり、相続時精算課税は、税金の支払いを先延ばしにできる効果を持つものになります。

・相続時精算課税による贈与の場合でも不動産取得税がかかる

相続時精算課税を選択して贈与を行う場合でも、通常の贈与と同様、受贈者(贈与を受けた人)には不動産取得税がかかることになります。相続時精算課税を選択していても、受贈者は相続により不動産の所有権を取得するわけではありませんから、不動産取得税の課税対象となります。

相続時精算課税を選択すれば、2500万円まで贈与税を非課税にできるというメリットがありますが、贈与時に不動産取得税が課税されることになります。また、相続時には相続税が課されることもありますから、トータルでみると節税にならないことがある点に注意が必要です。

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