土地・不動産 2018.02.25

相続で土地・建物がある場合の注意事項

家族が亡くなったとき、相続によって土地や建物を取得するケースは多いと思います。土地や建物を相続する場合には、いろいろと気を付けなければならないことがあります。ここでは、相続財産の中に土地・建物がある場合、主にどんなことに注意しなければならないかをまとめています。

記事ライター:ゆらこ行政書士

土地・建物を相続したら速やかに相続登記を行う

・相続登記とは

土地・建物の所有者などの情報は、法務局で登記されています。相続があれば土地・建物の所有者が変わることになりますから、法務局で所有権移転登記をし、所有者名義を変更する必要があります。相続を原因とする所有権移転登記は、相続登記と呼ばれます。

・相続登記の期限

土地・建物を相続しても、相続登記をしなければならない法律上の義務があるわけではないので、相続登記の期限というのはありません。ただし、相続登記をしていなければ、自分がその土地・建物の所有者だということを第三者に対して主張できず、相続した土地・建物を自由に売却することもできないことになります。

また、相続登記をしないまま年月が経過すると、次の相続が発生してしまい、いざ相続登記をしようとしたときに手続きが複雑になってしまいます。土地・建物を相続した場合には、速やかに相続登記をするのがいちばんです。

 

相続財産が土地・建物だけなら遺産分割の仕方に工夫が必要

・相続した土地・建物を相続人でどう分ける?

亡くなった人が遺言を残していない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行って遺産をどう分けるかを話し合う必要があります。たとえば、相続財産が自宅の土地・建物だけであるのに、相続人が何人もいるというケースも多いと思います。このような場合、不動産を単純に分けることができないため、遺産分割協議がスムーズに進まないことが考えられます。

・相続した土地・建物を売却して分ける「換価分割」

複数の相続人で土地・建物を遺産分割する方法の1つに、換価分割があります。換価分割は、相続した土地・建物を売却して現金化したうえで分割する方法です。

換価分割する場合にも、土地・建物が亡くなった人名義のままでは売却できないため、先に相続登記をしなければなりません。また、遺産分割協議書に、換価分割する旨と売却代金をどう分けるかを明確に記載しておく必要があります。

・土地・建物を相続した人が代償金を支払う「代償分割」

代償分割とは、特定の相続人が土地・建物を現物のまま取得するかわりに、他の相続人に相続分に相当する代償金を支払うという遺産分割方法になります。代償分割をすれば、土地・建物を相続できなかった相続人も、自分の相続分を現金で相続できます。ただし、土地・建物を相続する人が代償金を払えるだけの現金を持っていなければ、代償分割は困難になってしまいます。

 

相続税における土地・建物の評価方法に注意

・相続税の計算では財産の評価方法が決まっている

相続税を計算するためには、相続財産が金額にするといくらになるのかを評価しなければなりません。相続財産の評価方法は、相続税法及び財産評価基本通達で定められており、これに従って評価額を出す必要があります。

遺産分割をするときには、土地・建物を時価で評価して分けることもありますが、相続税は時価では計算しません。相続財産の中に土地・建物がある場合、相続税を計算する際には、路線価や固定資産評価額などが用いられます。

・宅地の評価方法

相続する土地の多くは、宅地であると思います。相続税における宅地の評価方法としては、路線価方式と倍率方式の2種類があります。

路線価とは、道路に面する宅地1平方メートルあたりの評価額のことで、国税庁が毎年発表しています。路線価方式では、路線価に立地条件や土地の形状から補正を加えて、評価額を算出します。市街地では路線価方式により相続税評価額を計算します。

倍率方式とは、固定資産評価額に評価倍率をかけて評価額を算出する方法です。評価倍率は、国税庁によって定められています。路線価が定められていない地域では、倍率方式を用いて相続税評価額を出します。

なお、宅地を他人に貸している場合には、借地権の評価額を差し引くことになるため、その分評価額が下がることになります。

・特例により宅地の評価が大幅に下がることも

自宅の敷地や事業用店舗の敷地を相続した場合、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(小規模宅地等の特例)」の要件をみたせば、宅地の評価額が80%減額になります。

・建物の評価方法

相続財産の中に建物が含まれる場合、建物については固定資産評価額で評価します。なお、建築中の建物については、課税時期までにかかった建築費用の70%で評価することになっています。

建物を他人に貸している場合には、借家権の評価額を差し引くことになるため、その分評価額が下がります。

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