土地・不動産 2018.05.09
等価交換方式のマンションとは?特徴を解説
販売中のマンションの価格表や募集要項などに「非分譲住戸」「事業協力者販売住戸」などの記載があるなら、等価交換方式で建築されたマンションと考えることができます。
一般的な分譲マンションと等価交換方式で建てられたマンションには、いくつかの相違点があります。マンションの購入希望者の中には、等価交換方式のマンションは避ける人もいるようです。
ここでは、等価交換方式のマンションの特徴についてご紹介します。
等価交換方式のマンションとは何か?
等価交換方式のマンションとは、マンションの建っている土地を元々所有していた人が、不動産業者や土地開発業者などのデベロッパーと、等価交換契約を結んで建設したマンションのことです。
等価交換契約とは、土地所有者が土地を、デベロッパーはマンションなどの建物を出資する状態のことで、土地所有者とデベロッパーの共同体制で不動産経営がなされていることになります。
等価交換方式でマンションを建てることには、土地所有者にとっての利点が数多く存在するため、土地を有効利用したいと考える土地所有者にとっては魅力的な活用方法です。
等価交換方式のマンションには、土地所有者も住人として居住していることが少なくありません。土地所有者が提供した土地の評価額が大きいほど、マンションの中のたくさんの区画をデベロッパーから譲り受けることになります。
土地所有者には、自分の居住スペースを選択する権利もあるので、マンションの最上階の角部屋など、好条件の区画に住んでいることが多いでしょう。
等価交換方式のマンションのポイント
1.完全分譲マンションと比べて、住人の質が下がる可能性がある
等価交換方式のマンションに対して、住人の質を不安視する人もいます。ひとつの要因として、等価交換方式のマンションは一部が賃貸になっているため、「どうせ賃貸だから」という感覚の住人がいることが挙げられます。
賃貸部分の住人からしてみれば、自分のものでもない部屋とマンションのために積極的に維持管理に加わったり、設備を丁寧に扱ったりする気になれないかもしれません。
もちろん分譲区画の購入者でも、意識の低い住人がいる場合もあります。しかし、持ち家としてマンションに住んでいる住人と、賃貸として住む住人とでは、自分の住む区画やマンションそのものに対する意識は異なることが多いでしょう。
等価交換方式のマンションに土地所有者が居住している場合も、心配する人がいます。
等価交換方式のマンションを建て、自らマンションに居住している土地所有者の中には、マンション内の取り決めを我が物顔で指図したり、他の住人に対して家主のような態度を取ったりする人もいるようです。
等価交換方式のマンションの購入前に、土地所有者に会って人柄を確認することは困難です。土地所有者のことが気がかりに感じる人にとっては、リスクのひとつとなるでしょう。
2. 等価交換方式のマンションは、好立地に建ちやすい
等価交換方式のマンションのマイナス点に触れましたが、等価交換方式のマンションというのは、どこにでも建てられるものではありません。
土地所有者が等価交換方式を希望しても、デベロッパーに断られてしまうケースもたくさんあるのです。
デベロッパーは建物の費用を払うだけでなく、建物が存在する間中、ずっと維持管理を続けなければならないので、土地所有者よりもはるかに大きなリスクを背負っています。
等価交換方式で取引する際には、立地条件を選定する目が厳しくなるのも当然のことと言えるでしょう。
つまり、等価交換方式のマンションが建っているということは、不動産のプロであるデベロッパーから見て「ここに投資すれば収益が上がる」と認識された好立地であることの証明でもあるのです。
等価交換方式のマンションと聞くとマイナスなイメージがあるかもしれませんが、裏を返せば「デベロッパーに選ばれしマンション」ということにもなるので、公平な視点で客観的に検討することができるでしょう。
まとめ
等価交換方式のマンションは、少々マイナスなイメージを持たれる傾向にあります。しかし、等価交換方式のマンションは、環境や利便性の良い好立地にあることが多く、マイナス点ばかりが存在するわけではありません。
等価交換方式のマンション購入を検討する場合は、時間をかけて物件を調べ、可能であれば他の住人にも話を聞いてみましょう。思いのほか、住みやすいマンションかもしれませんよ。
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