土地・不動産 2018.07.03
マンションの相続税評価額の計算方法と、相続税の軽減について
近年は、防犯や設備、構造の面で品質の高いマンションが増え、そこを生活の場とする人も増えています。年配者も例外ではなく、最後の住処としてマンションを選ぶ年配者も増加傾向にあります。
マンションも自己所有であれば立派な持ち家ですから、相続発生時には相続財産となり、相続税評価額に応じた相続税を求められます。
ここでは、マンションを相続する場合に備えて調べておきたい相続税評価額の計算方法と、マンションの相続税を軽減できるケースについてご紹介します。
マンションの相続税評価額とは?
マンションの相続税評価額は、土地部分の相続税評価額と、建物部分の相続税評価額に分けて計算します。
具体的には、土地部分の相続税評価額および建物部分の相続税評価額に各人の持分割合をかけ、その後、合算することで算出します。
戸建て住宅と違い、マンションは一室だけが財産になると認識されがちですが、マンションの敷地については住人全員の共有となっているため、マンションを持っている場合は土地に対する所有権も同時に保有していることになるのです。
マンションの場合は必然的に敷地面積が小さくなるため、土地2に対し建物8など、比率に大きな差が出やすくなります。
比率が小さくても財産であることに変わりはありませんから、マンションの相続税評価額を計算する際には、土地の相続税評価額のことも忘れないようにしましょう。
マンションの土地部分の相続税評価額
まずは、マンションの土地部分の相続税評価額を調べる方法から考えましょう。
マンションが接している道路の路線価をもとに、マンションの土地全体の相続税評価額を求め、そこへ自分の持分割合をかけることで算出できます。
次のような計算式を用いることになります。
1㎡あたりの路線価×マンション全体の土地面積×持分割合=マンションの土地の相続税評価額
路線価は、国税局のホームページなどで確認できます。マンション全体の土地面積は、登記簿謄本や固定資産税納税通知書などで確認できるでしょう。持分割合も、登記簿謄本などで確認することが可能です。
マンションの建物部分の相続税評価額
マンションの土地の相続税評価額の計算は少し難しいですが、マンションの建物部分の相続税評価額は、自分で計算する必要はありません。
固定資産税課税台帳や、固定資産税納税通知書に記載されているマンションの固定資産税評価額が、そのまま相続税評価額として利用できます。
注意したい点として、固定資産税評価額と「課税標準額」は別物です。間違えないようにしましょう。
マンションの相続税評価額を減額できるケース
マンションの相続税評価額を試算してみた結果、予想以上に相続税が高額なことに驚くかもしれません。そのような時には、相続税評価額の減額につながる以下のような要素がないかを確認してみましょう。
1.マンションの敷地内に、公衆化している部分がある
マンションの土地の中に、誰でも通行できる歩道や、住人以外にも解放している公園などがあれば、その部分は除外して計算することが可能になるため、相続税評価額の減額ができる場合があります。
ただし、実際に公衆化していることが条件になります。公園や歩道があっても、私有地であることを示す注意書き等があるなら、公衆化しているとは認められないでしょう。
2.相続したマンションが、賃貸物件である
相続するマンションが、入居者に貸している賃貸物件であれば、借地権割合を考慮することで、相続税評価額を減額することができます。
3.小規模宅地等の特例に該当するマンションである
マンションの所有者名義が個人であり、保有する土地面積が330㎡以下であれば、小規模宅地等の特例を適用できる場合があります。
一戸建て住宅でしか適用できないと誤解されることも多い特例ですが、マンションにも適用できます。
持分割合に応じたマンションの土地が330㎡までであれば、80%が減額となります。もし330㎡を超えるとしても、超えた分に通常の評価額が課されるだけで、330㎡については特例が適用になります。
小規模宅地等の特例は非常にメリットの大きいものですが、マンションを相続する人の立場などについて細かい条件が定められています。
まとめ
マンションの相続税評価額は、土地の使用状況や特例の適用によって、大幅に減額できる可能性があります。減額の余地があるのか自分では分からないという場合は、税理士に相談してみましょう。
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