土地・不動産 2018.07.16
不動産の相続登記を自分でしない方が良いケースとは?
不動産の相続登記は、相続する本人が自分で行うこともできます。しかし、一般の人が普段から自分で法的な書類を作成したり、法的な手続きのために書類を収集したりすることはあまり考えられません。
不動産の相続登記を自分でしようと試みたものの、挫折してしまう人も少なからずいます。では、不動産の相続登記を自分でしない方が良いケースとはどのようなものかについて、考えていきましょう。
不動産の相続登記を自分でしない方が良い3つのケース
1. 時間的余裕のない人や、平日に働いている人
不動産の相続登記を自分でする場合は、申請するまでの準備段階がとても大変です。自分で相続登記をしてみようと思った人の多くが、必要書類を揃えるのに非常に苦労します。
必要書類は相続のパターンによって異なりますが、被相続人の一生分の戸籍謄本に加え、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書などを揃えなくてはなりません。
被相続人の戸籍は、本籍地の市町村役場でなければ取得できません。生涯中に一度も本籍地を移さない人は少数ですから、たいていの場合は複数の本籍地に問い合わせて戸籍を取得することになります。
本籍地が遠方の場合は郵送でやり取りをするため、戸籍をすべて取得するのにかなりの時間を要することでしょう。加えて、不動産の相続登記を自分で完了するまでには、何度か法務局へ行く必要もあります。
申請自体は郵送でも可能なのですが、たいていの人はまず窓口で相談する必要があります。無事に自分で申請できても、何らかの不備があれば再度呼び出されますから、その都度法務局へ出向かなければなりません。
自分で申請した相続登記が無事完了した後にも、指定された日に法務局に出頭する必要があります。
不動産の相続登記を自分でする場合はどんなに少なくても2回、多ければ4回ほど法務局へ行く必要があると考えましょう。時間的に余裕のない人が自分で相続登記をするのは難しいことです。
また、法務局の窓口は平日しか対応してくれません。平日に仕事をしている人なら、自分で相続登記をするのは難しいでしょう。
2. 他の相続人との関係が良好ではない
不動産の相続登記を自分でするためには、他の相続人の協力も必要です。相続人全員の戸籍謄本や住民票、印鑑証明書などが必要だからです。
他の相続人との関係が良くないと、書類の用意をお願いするだけでも何かと神経をすり減らすことでしょう。
遺産分割に非協力的な相続人や、不動産を相続することについて納得してくれていない相続人がいると、わざと書類を渡してくれないことさえあります。
自分で他の相続人と交渉するのは難しいと感じたため、司法書士に依頼することにしたという人も少なくありません。
3. 相続する不動産が複数、または遠方にある
複数の不動産や遠方にある不動産を相続することになった場合も、相続登記を自分で行うのは難しいでしょう。
相続する不動産の件数分の相続登記を自分でこなさなければならないので、集める書類もかかる手間も相当なものになります。
自分で行わなければならない手続きが多くなれば、記載漏れや書類の不備も生じやすくなります。もし不備などがあると、補正するために自分で法務局まで出向かなくてはなりません。
また、相続登記したい不動産の所在地を管轄している法務局でなければ手続きはできません。不動産が遠方にあるなら、行き来にかかる時間や費用は相当なものでしょう。
不動産の相続登記は、誰に依頼できる?
色々と検討した結果、自分では不動産の相続登記をしない方が良いことに気づくかもしれません。その場合は、登記の専門家である司法書士に不動産の相続登記の代行を依頼しましょう。
不動産の相続登記をはじめとした登記は、司法書士の専門分野です。司法書士に依頼してしまえば、自分で面倒な作業をする必要はほとんど無くなります。
自分でする必要があることと言えば、必要書類に記入や押印をし、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類を預ける程度です。あとは司法書士が迅速かつ確実に相続登記を完了してくれるでしょう。
司法書士に依頼する場合の費用は、相続登記する不動産の価額や不動産の件数によって異なります。
多くの司法書士事務所では無料か、または少額の相談料で初回相談を受け付けています。費用を知ってから検討したいという場合は、まず相談してみましょう。
まとめ
不動産の相続登記を自分で行う場合、難解な不動産用語や法律用語を解読しつつ、たくさんの必要書類をもれなく揃え、ミスなく申請手続きを終えなければなりません。
法務局は平日しか開いていませんので、相続登記のために仕事を休む必要さえあります。総合的に考えると、不動産の相続登記は自分でするよりも司法書士に依頼した方が便利でしょう。
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