土地・不動産 2018.07.17

不動産を相続した場合の確定申告について

相続財産として不動産を相続すると、相続税の申告と納付が必要になり、相続する不動産によっては、確定申告が必要になる場合もあります。相続人には、被相続人の亡くなった年の所得についても確定申告を行う義務が科されています。

この記事では、確定申告が不要な不動産と、必要な不動産についての情報に加え、相続人が行う被相続人の確定申告についても解説しています。

記事ライター:棚田行政書士

相続では、原則として確定申告が不要

相続で不動産などの遺産を取得すると、「所得税が加算されるのでは?」と心配になるかもしれません。相続で得る不動産は、所得税の課税対象の「収入」とはみなされないため、原則として確定申告は必要ありません。

相続で取得する不動産にかかる税金は、原則として相続税になります。相続税には基礎控除額があり、それを超える遺産がない限り、納税の義務はありません。

さて、相続で不動産を取得した場合、条件によっては確定申告をする必要が生じることもあります。

相続した不動産の確定申告が必要になるのは、次の2つのケースです。

1. 相続した不動産を売却し、利益が出た
2. 相続した不動産が、マンションなどの収益物件だった

自宅として使用される不動産などについては、確定申告する必要はありません。

 

相続した不動産の売却益は、確定申告で申告する

相続した不動産を売却して売却益を手にした場合にも、不動産所得税の確定申告が必要になります。

相続によって取得した不動産に関しては、税額軽減につながる特例が用意されています。「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」、取得費加算の特例とも呼ばれるものです。

不動産をはじめ、相続によって取得した財産を一定の期間内に売却した場合、その財産に関して支払った相続税の一部を取得費に加算することで、譲渡所得金額(売却益)を抑えることができるという特例です。

特例の適用条件には、相続や遺贈で取得した財産であること、相続税が課税されていることなどがあります。

特例は自動的に適用されることはありませんので、不動産を相続した人が自分で確定申告を行うことが必要です。

確定申告書には、次の書類を添付して申請します。

1. 相続税の申告書の写し
2. 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
3. 不動産の譲渡所得の内訳書

 

収益物件を相続した場合は、確定申告する

相続で取得した不動産がアパートやマンションなどの賃貸物件や、貸駐車場などであれば、収益物件に該当するため、不動産所得税の確定申告をする必要があります。

被相続人が亡くなったのが6月1日であれば、その年の1月1日から6月1日までの不動産所得は被相続人の所得として、6月2日から12月31日までの不動産所得は相続人の所得として、確定申告の手続きを行います。

被相続人の所得の申告については、次の部分でさらに詳しく説明しています。

 

被相続人の所得を申告する「準確定申告」について

被相続人が死亡した年の確定申告は、その相続人が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と税額を計算し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をすることになっています。

これを、準確定申告といいます。

準確定申告における納税額は、被相続人の相続開始時の確定債務となります。逆に、準確定申告によって還付金を得られる場合、還付金は相続財産の一部となります。

被相続人の所得状況が以下の条件のいずれかに該当する場合には、準確定申告が必要になる可能性が高いです。

・個人事業(自営業)を行っていた
・2箇所以上から給与を受け取っていた
・給与所得が2,000万円を超えていた
・給与所得や退職所得の他に、20万円以上の所得を得ていた
・医療費控除の対象となる高額の医療費を支払っており、準確定申告により還付される所得税がある

準確定申告書には、相続人全員の連名が必要です。準確定申告書の提出先は、被相続人の納税地(通常は納税地)の税務署です。

一枚の準確定申告書に相続人全員が記名できなかった場合は、記名できなかった人が別途申請書を提出する必要があります。

準確定申告には、専用の申請書がありません。そのため、一般の確定申告書に「準」という文字を書き加えるなどして修正し、作成します。

 

まとめ

相続財産に不動産が含まれる場合でも、自宅や事業用地として使用する場合には、確定申告は不要です。

書類の作成や税額計算、特例の適用可否に自信が持てないときは、税理士に代行を依頼しても良いでしょう。

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