土地・不動産 2018.07.20

相続放棄をすると土地はどうなる?

亡くなった人(被相続人)が土地を残している場合、土地を相続したくなければ、相続放棄をする必要があります。実は、相続放棄をすれば、それで土地とは完全に無関係になるわけではありません。ここでは、土地を相続する場合や放棄したい場合の注意点と、相続放棄された土地はどうなるかについて説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

借金があるなら相続放棄がおすすめ

相続放棄すれば相続人ではなくなる

被相続人が多額の借金を残している場合、自分が相続人の立場なら、相続放棄をするのがおすすめです。相続では被相続人の財産と債務の両方を引き継ぐのが原則になりますが、相続放棄すれば、初めから相続人でなかったことになり、財産も債務も一切引き継ぐことはありません。

相続放棄をすれば土地も相続できない

被相続人が借金と土地を残している場合には、借金は引き継ぎたくないけれど、土地は引き継ぎたいということがあるでしょう。相続放棄をすれば、借金を引き継がずにすみますが、土地を引き継ぐこともできません。土地という財産のみを得て、借金という負担を逃れることはできないのです。

 

相続した土地を使わない場合にはどうなる?

相続した土地を売却する方法もある

被相続人に借金がなく、不動産や預貯金などの財産だけを持っている場合には、一般には相続した方が得です。不動産については、自分で利用するつもりがなくても、相続した後、売却してお金に換えるという方法があるからです。

相続した土地が売れなかったらどうなる?

相続した土地を売却しようと思っても、売却が必ず実現するわけではありません。人里離れた山の中の土地などは、利用価値がないため、購入する人が現れない可能性が高いと言えます。

相続した土地を売却できない場合には、自分で所有し続けなければなりません。土地というのは、所有しているだけで固定資産税がかかります。土地だから必ずしも財産的価値があって得というわけではなく、所有していることで負担になってしまうケースもあるのです。

土地を手放せなくなることも考慮して相続を検討

相続の際には、いらない土地だけを放棄して他の財産を承継するということはできません。一方で、利用価値のない土地をひとたび相続してしまうと、土地を手放せなくなり、負担になってしまうことがあります。相続でいらない土地を承継してしまう場合には、土地が売れなかったらどうなるかも考え、相続放棄した方がよいかどうかを検討しましょう。

 

相続放棄された土地の管理はどうなる?

相続放棄するまでは管理義務がある

被相続人の残した財産は、相続開始と同時に相続人に承継されます。相続放棄をすれば相続開始時に遡って相続人ではなかったことになりますが、少なくとも相続放棄をするまでは相続人として相続財産を管理しなければなりません。被相続人が土地を残している場合には、相続放棄をするまで、その土地を管理する義務があるということです。

相続放棄しても直ちに管理義務がなくなるわけではない

被相続人の土地を引き継ぎたくないので相続放棄をする場合、相続放棄の手続きをすれば直ちに土地の管理義務がなくなるわけではありません。民法では、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」(940条)と定められているからです。

相続放棄をすれば相続人はどうなる?

相続放棄をすれば、相続権が次順位の人に移り、新たに相続人となる人が出てくることがあります。この場合、新たに相続人となった人は、自分が相続人になったことがわからない場合があります。

法律上、相続放棄したことを次順位の人に知らせる義務はありません。しかし、次順位の人に知らせて相続財産の管理を始めてもらわなければ、自分が相続財産を管理し続けなければならないことになるという不都合が生じます。

相続する人がいなくなった土地はどうなる?

民法上、相続人は第3順位までしか定められていないため、第3順位までの相続人全員が相続放棄をすれば、相続人が1人もいないことになってしまいます。相続放棄しても、次に相続人になる人がいない場合には、相続人は相続財産の管理責任を逃れることができません。相続財産の中に土地がある場合には、土地の管理責任は大きな負担となってしまいます。

相続放棄後に土地を管理する人がいなくなったらどうなる?

相続放棄をした相続人が土地の管理責任を逃れるためには、相続財産管理人の選任を申し立てる必要があります。相続財産管理人とは、相続人不存在の場合の相続財産を管理し、債権や債務の清算を行う人で、家庭裁判所によって選任された弁護士などが就任します。相続財産管理人が清算手続きを行い、最終的に残った土地は、国庫に帰属することになります。

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