土地・不動産 2018.08.23

相続した不動産を分割する4つの方法とは?

すべての相続財産は、相続人の相続分に応じて公平に分割される必要があります。相続財産の中には、現金など分割が極めて容易な財産もあれば、不動産のように複数人に分割することができない財産もあります。

不動産を巡る相続で争いを生まないためには、不動産を含めた相続財産すべてを公平に分割しなければなりません。では、不動産を公平に分割するために検討できる分割方法について考えていきましょう。

記事ライター:棚田行政書士

不動産を公平に分割するための方法

1. 現物分割

相続で取得する財産の現物を、各相続人へ配分する分割方法です。1人は自宅や別荘などの不動産を、他の1人は預貯金を、もう1人は株式と趣向品をといった風に、相続人ごとに受け取る財産の種類が変わります。

現物分割は最も簡単で最も一般的な分割方法であると同時に、不動産をそのままの形で相続させることが可能な方法です。

ただし、財産の種類が変わることで各相続人の財産の評価額はバラバラになることが想定されます。法定相続分の通りにきっちりと分割したいという場合には採用できない分割方法でしょう。

2. 換価分割

土地や建物などの不動産のままでは、複数の相続人に分割して相続させることは不可能です。そこで考えたいのは、不動産を換金し、現金として相続人へ公平に分割するという方法です。これは換価分割と呼ばれる分割方法です。

換価分割では不動産が現金化されるため、各相続人にきっちり公平な分割をすることが可能です。相続人の誰もが不動産の相続を拒否するとしても、現金であれば拒否する理由はありません。

相続税の納税資金が心もとない時にも、換価分割は役立ちます。仕組みが分かりやすく、公平な解決に寄与する換価分割ですが、いくつかデメリットもあります。

1つは、不動産そのものを失うことになるということです。相続人全員にとって特段の思い入れがない不動産であれば問題はないかもしれませんが、相続人のうちの誰かが手放すことを拒否すれば換価分割はできません。

2つ目は、不動産の売却に際して必要になる費用や売却価格について、相続人全員が同意していなければならないことです。相続人の人数が多いケースほど、話をまとめるために時間と手間が必要になるでしょう。

3つ目として、相続人全員の同意があったとしても、希望通りの金額、時期に売却できるとは限らないことです。

相続税の納税資金のために売却を希望したとしても、なかなか売れなければ順次価格を下げ、何とか相続税の納税期限に間に合わせるために安売りをしなければならない場合があります。

さらに、無事に不動産が売れたとしても、今度は不動産所得税や住民税の納税が待っています。これらの費用負担についても相続人全員の同意を得た上で、各相続人の財産取得割合に応じて税額を徴収するなどの対処が必要です。

3. 代償分割

不動産を1人の相続人が相続し、不動産を相続できない相続人に代償としての金銭を提供するという分割方法です。

例えば、1人の相続人が1億円の不動産を相続する代わりに、不動産を相続できないもう1人の相続人へ5,000万円を支払うといった方法です。公平性を欠くことなく財産を分割できると同時に、不動産そのものも失わずに済むというメリットがあります。

ただし、不動産を相続する相続人が代償金の支払い能力を失った場合、不動産を相続できなかった相続人は泣き寝入りとなる可能性があります。代償金については法的強制力がないため、解決したいなら自分たちで訴訟などを起こすしかありません。

4. 共有分割

ひとつの不動産の名義を相続人全員の共同名義とし、各自が自分の相続分に応じた部分を持分とする分割方法です。不動産の共有分割は、相続登記をするだけで完了するため、手続きが簡単な方法であると言えます。

ただし、共有分割された不動産はその後の運用がとても大変です。売却を検討したいのであれば、共有している相続人全員が同意し、全員が手続きに関わらなければなりません。

さらに共有者のひとりが亡くなってしまうと、非常に厄介な事態になります。次の相続の相続人も共有者の一部となるため、共有者の人数はネズミ算式に増えていってしまいます。不動産の共有分割は、あくまで一時的な対処と考えましょう。

 

■まとめ

相続人全員が納得する方法で不動産を分割することは難しいため、長期的な争いに発展してしまうことがあります。もし争いが起きてしまい、収拾がつかなくなったなら、早めに弁護士に介入してもらい、相続人同士の関係がそれ以上悪くならないようにしましょう。

関連記事

土地・不動産

相続した土地を3年以内に売却するメリットとは?

3年以内なら「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を適用可能 相続した土地を、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、売却時の「取得費」に土地にかかった「相続税」を加算できるという特例があり ...

2018/11/13

土地・不動産

相続した土地の売却益を分配するための流れとトラブル対処法

相続した土地の売却価格を調査する まずは、相続した土地が実際にはどれくらいの価格で売却できそうなのかを探りましょう。調査方法は簡単です。不動産情報サイトなどで、相続した土地の近隣地域にある、似たような ...

2018/11/12

土地・不動産

相続した土地を分筆する際の手続きと、かかる費用について

ステップ1:境界確定測量 相続した土地の境界が確定していない場合は、分筆することができません。そのため、どんな土地であっても、まずは境界確定測量を行います。 境界確定測量ではまず、登記簿、公図、区画整 ...

2018/11/09

土地・不動産

家を相続するには!? 相続登記の方法!

相続登記は、できればしておいたほうが無難 相続登記は、いわゆる名義変更です。ですが、しなくても特に問題はないのです。法的な義務はありません。たとえば、その家を売ろうとしたとき、そして、建て替えをするの ...

2017/10/03

土地・不動産

相続登記申請書の書き方について

相続登記申請書の書き方 相続登記自体は自分でも申請することが可能です。その際には相続登記申請書と複数ある必要書類を添えて、不動産の所在地を管轄する法務局に提出する必要があります。 それでは、相続登記申 ...

2017/10/02

土地・不動産

相続登記の費用はいくらかかる?その内訳とは?

相続登記ってそもそも何? 相続に伴って不動産を取得した場合に、その名義を被相続人の名義から相続人の名義に変更する手続きのことを一般的に「相続登記」と呼んでいます。 ただ、正式には相続登記という登記手続 ...

2017/10/02

Copyright© 相続メディア nexy , 2018 AllRights Reserved.