土地・不動産 2018.08.29
相続した土地を売るときにかかる税金について
土地を相続することになったけれど、自分では利用する予定がない場合には、土地を売ることを考える場合もあるのではないでしょうか。
しかし、相続した土地を売るときには、税金がかかることに注意しておきましょう。ここでは、土地を相続したときの税金や、土地を売るときの税金について説明します。
相続した土地を売る場合でも相続税は課税される
相続税が課税されるケースとは?
相続があったときにかかる税金と言えば、相続税です。相続税は、被相続人が残した財産が基礎控除額を超える場合に、財産を取得した相続人や受遺者(遺贈を受けた人)に課税されます。
基礎控除額は、相続税計算の際、遺産の額から無条件で差し引きできる金額で、次の式で算出します。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
土地を相続すれば相続税がかかることが多い
たとえば、法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円です。この場合、たとえ相続財産が土地だけでも、土地の価格が3,600万円を超えるなら、相続税の課税対象になります。一般に、土地の値段は高額ですから、土地を相続すると相続税がかかるケースが多くなります。
相続した土地をすぐに売る場合でも相続税はかかる
相続した土地を自分で使うつもりがなく、すぐに売りたい場合もあるでしょう。相続した土地を売る場合でも、相続税はかかります。相続税は、相続が発生した時点を基準にして課税されるものですから、相続した土地を売るかどうかは関係ありません。
相続した土地を焦って売ると税金が高くなることがある
被相続人の自宅や事業用の店舗に使っていた土地を相続した場合、小規模宅地等の特例が受けられ、土地の相続税評価額が8割減額になることがあります。この特例を受けられる場合には、土地を売る時期に注意しておく必要があります。
配偶者以外の人が土地を相続した場合、相続税の申告期限まで土地を保有していなければ小規模宅地等の特例が受けられません。申告期限前に土地を売ってしまうと、相続税額が高くなってしまうことがあります。
相続した土地を売る前に名義変更するときにも税金がかかる
相続した土地は売るかどうかに関係なく名義変更が必要
相続した土地は、相続人名義に変更する必要があります。相続した土地をすぐに売る場合でも、名義変更はしなければなりません。被相続人名義のままの土地を売ることはできないため、一旦、相続人名義にして、売却手続きをする必要があります。
相続登記の際にかかる登録免許税
相続した土地は、名義変更するときにも税金がかかります。土地の名義変更は相続登記により行いますが、相続登記をするときには、登録免許税という税金が課税されます。登録免許税の税額は、土地の固定資産評価額の1,000分の4になります。
相続した土地を売るときにかかる印紙税
土地の売買契約書に課税される税金
相続した土地を売る段階でかかる税金として、印紙税があります。土地を売るときには、買主との間で売買契約を締結します。印紙税は、売買契約書に課税される税金で、契約書に収入印紙を貼って納税します。
印紙税の金額
印紙税の金額は、契約金額によって変わります。不動産の売買契約書の印紙税は、軽減措置が設けられています。たとえば、契約金額が1,000万円の場合、本来の印紙税は1万円ですが、2020年3月31日までは5,000円になります。
相続した土地を売るなら譲渡所得税がかかることを考慮しておく
土地を売るとかかる税金がある
相続した土地を売る場合に最も注意しておきたい税金が譲渡所得税です。譲渡所得税は、財産の譲渡により得た利益(譲渡所得)に課税されます。相続した土地を売っても、譲渡所得が発生していなければ税金はかかりません。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得は、次の計算式で計算します。
譲渡所得=収入金額 - (取得費+譲渡費用)-特別控除額
収入金額とは、土地を売ることによって得られた代金です。取得費とは、被相続人が土地を購入したときに払った代金で、不明の場合には売却代金の5%として計算します。譲渡費用は、売却のときにかかった仲介手数料などの経費になります。
譲渡所得を計算する際には、特別控除が受けられ、実際には税金が発生しないこともあります。土地を相続して特別控除が受けられるのは、被相続人が住んでいた家を解体して敷地を売る場合などで、特別控除額は3,000万円となります。
相続した土地は3年以内に売ると税金が安くなる
相続した土地を相続税の申告期限から3年以内に売る場合には、特例適用により、支払った相続税の金額の一部を取得費に加算することができます。相続した土地を売るときにかかる税金を少しでも安くしたいなら、3年以内に売るのがおすすめです。
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