土地・不動産 2018.09.01

親の土地を兄弟で相続する場合に知っておきたいこと

親が亡くなると、兄弟全員が相続人になります。相続の際には、相続人全員で遺産を分ける遺産分割が必要になりますが、土地が含まれる場合の遺産分割では、気を付けなければならない点があります。ここでは、親の土地を兄弟で相続するときに注意しておきたい点をまとめていきます。

記事ライター:ゆらこ行政書士

親の土地を相続する権利は兄弟で平等

兄弟全員が親の相続人になる

親が亡くなったとき、子は必ず相続人になり、親の財産を相続することになります。戦前の家督相続の時代には、親の財産は長男が相続していました。しかし、現在では、親の財産を相続する権利は、どの子も同じです。

息子と娘で相続できる財産の割合が変わるわけでもありません。兄弟(姉妹)みんな同じ割合の相続権を持ちます。ここでいう兄弟には、異母兄弟や異父兄弟も含まれます。会ったことがない兄弟でも、親の相続人としては同じ立場になります。

土地は簡単に分けることができない

現金や預金と違い、土地は簡単に分けられるような性質のものではありません。兄弟が何人もいる場合、親の相続の際に、土地の分け方でもめてしまう可能性があります。

土地は共有にすることもできますから、親から相続した土地を兄弟で同じ持分ずつ共有することも可能です。しかし、兄弟で土地を共有することは、トラブルを招く原因になることがあります。

たとえば、兄弟の一人が土地を売りたいと思っても、他の兄弟全員が同意しなければ、実際に売ることはできません。土地の上に建物を建てたい場合でも同様に、兄弟全員の同意が必要になるのです。

 

親の土地を兄弟で分ける方法

遺産分割協議で土地を相続する人を決める

兄弟で親の土地を相続する場合には、遺産分割協議をして、土地を誰が相続するかを決めます。なお、もう一人の親が生きている場合には、同じく、相続人として遺産分割協議に加わってもらう必要があります。

現物分割による分け方

遺産分割協議では、相続人全員が法定相続分相当の遺産を取得できるように分けるのが原則です。兄弟の一人が土地を取得する場合には、他の兄弟は土地と同等の財産を取得できなければなりません。

たとえば、長男、長女、次男の3人が相続人の場合、長男が2,000万円の土地をもらい、長女が預金2,000万円、次男が株式2,000万円をもらうというふうに分けることになります。このような遺産分割の方法を「現物分割」といいます。

換価分割による分け方

遺産分割で長男が土地をもらうと、他の兄弟がもらうものがなくなってしまうということもあります。この場合には、土地を売却してお金に換え、お金を兄弟で分ける方法があります。このような遺産分割の方法を「換価分割」といいます。

換価分割を行った場合には、譲渡所得が発生し、譲渡所得税がかかることがあります。譲渡所得税は、相続人全員に対してかかります。ただし、土地が親の自宅の敷地で、親と同居していた兄弟がいる場合、その兄弟は3,000万円の特別控除を受けられる可能性があります。

代償分割による分け方

親の遺産は土地しかないけれど、その土地を親が事業に使っており、事業を手伝っていた長男が取得したいというようなケースもあります。

この場合には、長男から他の兄弟に相続分相当のお金(代償金)を払って、兄弟全員の取得額が平等になるように分ける方法があります。

遺産を取得した人が代償金を払うことにより他の相続人の取り分を調整する方法は、「代償分割」と呼ばれます。代償分割では、代償金に充てる現金が必要になるので、土地を相続する長男が現金を用意できなければ、実現困難になります。

 

兄弟の誰が親の土地を相続するかで相続税が変わることがある

土地の評価額が8割引になる小規模宅地等の特例

相続税を計算する際に、土地の評価を8割減額できるのが、小規模宅地等の特例です。小規模宅地等の特例は、亡くなった人名義の自宅の敷地や事業用店舗の敷地に適用されます。

小規模宅地等の特例適用の有無は誰が土地を相続するかによって変わる

小規模宅地等の特例は、誰が親の土地を相続しても適用されるわけではありません。土地を取得する相続人の要件があります。

たとえば、兄弟のうち、親と同居していた人が土地を相続すれば、相続税申告期限まで所有と居住を継続することにより、特例を受けられます。一方、親と同居していた人がいるのに、他の兄弟が土地を相続した場合には、特例の適用は受けられません。

また、親と同居していた人がいない場合でも、持家がある人が土地を取得すると、特例の適用は受けられません。

相続税がかかるケースでは、小規模宅地等の特例が適用できるように遺産分割協議を行うことで、相続税の節税になります。

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