土地・不動産 2018.09.30
土地の相続手続きでかかる登録免許税とは?
土地を相続することになったら、相続手続きをするときに、登録免許税という税金がかかることをご存じでしょうか。ここでは、土地の相続手続きでかかる登録免許税について説明します。土地の登録免許税が免除になるケースもありますので、覚えておきましょう。
土地の相続登記をすれば登録免許税がかかる
そもそも、登録免許税とは?
登録免許税は、法務局で登記手続きをするときに課税される税金で、国税の一種になります。登記手続きは、法務局に登記申請書を提出して行います。登録免許税は、登記申請書に税額分の収入印紙を貼付する形で収めます。
実際には、登記申請書とは別に、登録免許税貼付用台紙という紙を用意して、そこに収入印紙を貼ります。
登録免許税の金額
登録免許税の金額は、登記の種類によって変わります。不動産の所有者を変更する所有権移転登記の場合、固定資産評価額に対して、登記原因に応じて法律で定められた税率をかけて、登録免許税を算出します。
たとえば、土地について売買による所有権移転登記をする場合、法律で定められた税率は1,000分の20です。ただし、租税特別措置法により当面の間は土地については1,000分の15という軽減税率が適用されます。
土地の相続登記の登録免許税
土地の相続登記の登録免許税率は1,000分の4となっています。相続登記については、軽減税率はなく、固定資産評価額に1,000分の4をかけて算出した金額が税額になります。
土地の相続の登録免許税の計算方法
固定資産評価額を知る方法
土地の相続でかかる登録免許税を計算するためには、土地の固定資産評価額を知る必要があります。土地の固定資産評価額を知るには、次のような方法があります。
納税通知書を確認
土地の所有者には、毎年市区町村役場から固定資産税の納税通知書が届いているはずです。納税通知書には課税明細が付いており、固定資産評価額も記載されています。亡くなった人の自宅などを探し、納税通知書が見つかれば、固定資産評価額もわかることがあります。
固定資産評価証明書を取得
土地の所有者の相続人は、市区町村役場で固定資産評価証明書を取得することができます。通常、本人確認書類と相続人であることがわかる戸籍謄本を持って役所に行けば、固定資産評価証明書を発行してもらえます。固定資産評価証明書の取得には300円程度の手数料がかかります。
登録免許税の計算方法
登録免許税を計算するときには、まず、固定資産評価額の1,000円未満を切り捨てた上で、税率1,000分の4をかけます。さらに、税率をかけて出された税額の100円未満も切り捨てます。
たとえば、土地の固定資産評価額が7,654,321円の場合、次のようになります。
7,654,321円→1,000円を未満切り捨てると7,654,000円
7,654,000円×4/1,000=30,616円
30,616円→100円未満を切り捨てると30,600円
土地の登録免許税額は30,600円
土地の相続で登録免許税が免除になる場合とは?
土地の相続登記で免税措置が受けられるケースがある
相続登記というのは義務ではありません。相続登記をすれば登録免許税を払わなければなりませんから、相続登記をせずに放置されている土地もたくさんあります。
昔から相続登記がされておらず、所有者がはっきりわからない土地もあり、問題になっています。そこで、国では土地の相続登記を促進するために、期間限定で土地の登録免許税の免税措置を設けています。
土地の登録免許税が免税になるケース
登録免許税が免除になるのは、土地の名義人が死亡した後、相続人への相続登記がされないまま、その相続人が亡くなり、二次相続が起こっているケースです。
このようなケースでは、一次相続と二次相続の両方の相続登記が必要になりますが、一次相続については登録免許税が免除になります。
例)土地の名義人をAとした場合
一次相続:Aが亡くなってBが土地を相続→登録免許税は免除
二次相続:Bが亡くなってCが土地を相続→通常通り課税
本来であれば、一次相続、二次相続のそれぞれについて登記手続きが必要になり、それぞれ固定資産評価額の1,000分の4の登録免許税がかかります。
しかし、一次相続(AからBへの相続登記)については免税になり、二次相続(BからCへの相続登記)についてのみ、固定資産税評価額の1,000分の4の登録免許税がかかります。
土地の相続登記の登録免許税免税措置を受ける方法
土地の相続登記の登録免許税免税措置は、自動的に適用されるわけではありません。登記申請書に免税措置を受ける旨を記載する必要があります。
免税措置を受ける場合には、登記申請書の登録免許税の欄に、「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載しておきましょう。なお、記載しなければ免税措置は受けられないので注意が必要です。
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