土地・不動産 2018.10.08

土地の相続と、不動産取得税の関係を徹底解説

相続を控えた方の中には「土地を相続することになったら大変だ、不動産取得税がかかってしまう」と心配する方もおられます。実は、相続人の立場にある人が土地を相続する分には、不動産取得税は課税されません。
ただし、相続に関係のある別の場面では、土地を取得する人に不動産取得税が課税されてしまうことがあります。今後、不動産を相続させる方も、相続するかもしれない方も、相続と不動産取得税の関係について、今一度整理しておきましょう。

記事ライター:棚田行政書士

不動産取得税の概要

不動産取得税とは、土地や家屋といった不動産を取得した際に一度だけ課税される地方税です。ここで言う「取得」の意味には、購入はもとより、新築や交換、贈与なども含まれます。

不動産取得税を納める義務があるのは、土地や家屋を売買・贈与・交換・建築(増改築を含む)によって取得した個人、および法人です。購入したものなのか、無償で譲り受けたのかに関係なく、不動産取得税は課税されます。

土地や家屋を取得しても、所有権移転登記をしなければ不動産取得税を納めなくても良いのではと考える人もいますが、不動産取得税は登記の有無にも関係なく課税されます。

不動産取得税の税額は、取得した不動産の価格に以下の税率をかけたものです。

 

土地・家屋の取得日 土地 家屋(住宅) 家屋(住宅でない)
2008年4月1日~

2021年3月31日

100/3 100/4

 

取得した不動産の価格とは、購入価格や工事費のことではなく、固定資産課税台帳に記載された価格となります。

 

土地の相続と、不動産取得税の関係

土地や家屋を取得した人に否応なく課税される不動産取得税ですが、相続を理由に土地や家屋を取得した人に不動産取得税は課税されません。理由は、土地や家屋の相続は相続人の意思によらない場合が多いためです。

相続開始のタイミングは、たいていの場合、正確に予知することはできません。相続人の立場からすれば、ある日突然、相続が開始することになります。そのため、相続が開始して初めて、自分が土地や家屋を相続するよう指定されていたことを知る相続人もいることでしょう。

不本意に土地を相続するかもしれない相続人に、不動産取得税を課税するのは不適当ということで、相続は不動産取得税の課税対象外となっています。

 

相続に関係して不動産取得税がかかる2つのケース

相続に関係した土地や家屋の取得は、どんな場合でも不動産取得税がかからないわけではありません。ここで、不動産取得税がかかる代表的な2つのケースについて解説します。

1.相続人以外への遺贈

被相続人が遺した遺言書に、「○○(相続人ではない人)に、△△の土地を遺贈する」などの指示がある場合は、不動産取得税が課税されます。

ちなみに「遺贈する」という表記がされていても、遺贈されるのが相続人であれば不動産取得税はかかりません。重要なのは、土地や家屋を取得するのが相続人なのか、相続人でないのかという点です。

たいていの場合、相続人ではない人が土地や家屋を相続することは、正当かつ当然の権利とは言えないでしょう。また、極めて偶発的な利益となるため、不動産取得税がかかることになります。

2.生前贈与

生前に自分の財産を他人に譲ることを、生前贈与と言います。生前贈与は、財産を譲る人ともらう人、双方の意思が明確でなければ成立しません。

そのため、贈与される人は「土地をもらおう」という意識で贈与を受けるはずなので、不動産を取得したことに対して不動産取得税が課税されます。

ちなみに、生前贈与の手法のひとつに「相続時精算課税制度」があります。60歳以上の親から20歳以上の子供や孫へ、最大で2,500万円までの贈与を、贈与税をかけずに行える、という制度です。

贈与する財産の種類は無制限ですが、同じ相手には通算で2,500万円までの贈与となります。相続時精算課税制度を利用して、土地や家屋を贈与する場合も、不動産取得税がかかります。

さらに注意したい点として、相続時精算課税制度を利用した土地や家屋の贈与では、贈与税がかからない代わりに相続税がかかります。贈与者が亡くなり、相続が発生すると、贈与された土地や家屋は相続財産に加えられ、相続税の課税対象となります。

相続時精算課税制度は課税時期の先延ばしに過ぎない面もあるので、利用の前によく考慮するべきでしょう。

 

まとめ

土地を所有する方の中には、良かれと思って生前に土地を贈与したり、遺贈したりする方もおられるかもしれません。しかし、土地を取得した相手が不動産取得税の納税義務を負ってしまう場合もあるため、その点を注意深く検討する必要があります。

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