土地・不動産 2018.10.19

土地の相続でもめる原因と対策について

相続でもめるかどうかは、相続財産に不動産があるかないかに大きく影響されます。不動産は価値が高くなることが多いため、相続人皆が取り合ってもめることがあります。または、不動産ひとつが相続財産のメインになっているケースでは、公平に配分する点でもめることもあるでしょう。

この記事では、土地の相続でもめる原因としてよくある2つの原因について解説すると共に、相続人がもめることのないために被相続人が準備できる対策についてもご紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

1つしかない土地を巡ってもめるケース

土地の相続について派手にもめるケースで原因となりやすいのは、土地がひとつしかないことです。土地は物理的に分割するのが不可能な財産であり、複数人の相続人へ公平に配分することはできません。

そのため、相続人のうちの誰かが土地を相続し、他の相続人はその他の財産で我慢するしかなくなります。不平等感を抱く相続人がいれば、もめることになるでしょう。

土地以外に価値の高い財産が豊富にありさえすれば、土地がひとつしかないことはもめる原因にはなりません。大いにもめるのは、財産と呼べるような財産が土地ひとつしかないというケースです。

このようなケースでは、もめることのないようどんな手段を講じることができるでしょうか。

ひとつには、土地を売却して現金を配分する「換価分割」があります。問題の土地がすぐに買い手が付く土地なのであれば、換価分割はもめる原因をスムーズに解決できる方法になるでしょう。

もうひとつの方法は、誰かが土地を相続する代わり、他の相続人に相応のお金を払うことでもめるのを防ぐ「代償分割」です。土地を相続する相続人に支払い能力があることが条件ですが、それがクリアできるのであれば解決策となります。

 

土地の評価額を巡ってもめるケース

土地は、他の財産にはないユニークな特徴を持っています。評価の手法によって、その価値が変化するという点です。一方、土地以外の財産であるお金や株式、宝石類は、いずれも一定の価値基準で評価できます。

例えば、1万円札は誰が見ても1万円の価値です。見る人によって1万2,000円の価値になったり、8,000円に下がったりはしません。

株式や宝石類もそうです。どちらも、世の中にまったく同じものが存在しているため、一定の価値基準によって価値が決まります。

一方で土地は、まったく同じものが存在しないため、一定の価値基準で判断することはできません。そのため、評価する人が採用する価値基準によって大きく価値が変動するのです。これがもめる原因になり得ます。

土地の評価額は、相続税評価額にも直接影響します。土地を相続する相続人としては、相続税を抑えるためにも、できるだけ土地の評価額は下げておきたいはずです。

他方、土地を相続できない相続人は逆の感情を持つでしょう。土地の評価額が高くなって、土地を相続する相続人の相続税負担額が上がれば、自分が支払う相続税はその分安く済ませられるためです。

土地を相続する相続人への不満も相まって悪感情が募り、もめることになるかもしれません。

 

土地の相続で遺族がもめるのを防ぐための「遺言書」

土地の相続でもめることは、相続人たちには止められない場合も多いものです。子供たちが相続人になるケースでは、親の死によってそれまで抱いていたお互いへの不満が爆発し、もめることで気持ちが凝り固まってしまうこともあります。

そんな時、親からの心温まる遺言書があれば、子供たちがもめることを多少なりとも回避できるでしょう。そのために重要なポイントは、遺言書の必要事項だけをさっと書いて終わらせないことです。

もし、相続人のうちのひとりだけに土地を相続させなければならないのなら、そうする事情を遺言書に記載しておきましょう。ちゃんとした理由があることが分かれば、相続人はもめることをやめようと思い直す可能性もあります。

あわせて、土地を相続させてあげられない相続人へのお詫びや、生前にしてくれたことへの感謝、今後の人生に対する励ましなどを書き、真心が伝わるようにしておきましょう。

すでにもめていた相続人も、被相続人の気持ちのこもった遺言書に心を動かされ、遺言の通りにしよう、という意識が働き、トラブルを防止できます。

 

まとめ

土地の相続を巡って相続人がもめることは、被相続人となる人の生前の準備で防げる可能性があります。理想論ではありますが、相続が始まる以前から家族がお互いのことを想い合って生活することが、相続でもめることのないよう備える上で最良の対策になるでしょう。

関連記事

土地・不動産

相続対策で不動産は売るべき?売らざるべき?

今売ったらどんな得がある? 東京でも山手線の内側を中心に、不動産価格は以前よりも大きく上昇しています。 例えば、実際の事例でいうと、港区にある築10年程度のワンルームマンション、新築時に約2,000万 ...

2019/08/07

土地・不動産

兄弟が多いと大変!不動産相続の書類集めで四苦八苦

兄弟姉妹5人が相続人だった事例 親の遺産を子供達で分割するというケースはよくあるのですが、子供の人数が多くなると手続きをするだけでも一苦労です。 この事例では、母親の相続で兄弟姉妹合わせて5人が相続人 ...

2019/08/05

土地・不動産

不動産を相続したらローンはどうなる?

ローンと相続の関係について 遺産相続における選択肢としては、次の3つの種類があります。 単純承認 プラスの財産もマイナスの財産も全て相続する 相続放棄 プラスの財産もマイナスの財産も全て放棄する 限定 ...

2019/06/06

土地・不動産

家を相続するには!? 相続登記の方法!

相続登記は、できればしておいたほうが無難 相続登記は、いわゆる名義変更です。ですが、しなくても特に問題はないのです。法的な義務はありません。たとえば、その家を売ろうとしたとき、そして、建て替えをするの ...

2017/10/03

土地・不動産

相続登記申請書の書き方について

相続登記申請書の書き方 相続登記自体は自分でも申請することが可能です。その際には相続登記申請書と複数ある必要書類を添えて、不動産の所在地を管轄する法務局に提出する必要があります。 それでは、相続登記申 ...

2017/10/02

土地・不動産

相続登記の費用はいくらかかる?その内訳とは?

相続登記ってそもそも何? 相続に伴って不動産を取得した場合に、その名義を被相続人の名義から相続人の名義に変更する手続きのことを一般的に「相続登記」と呼んでいます。 ただ、正式には相続登記という登記手続 ...

2017/10/02

Copyright© 相続メディア nexy , 2019 AllRights Reserved.