土地・不動産 2018.12.04
土地の相続で減税になるケースとは?
土地を相続したときには、様々な税金がかかることがあります。ただし、課税対象になっても、減税になるケースもあるのです。今回は、土地の相続で減税になるケースにはどんなケースがあるかについて説明します。
土地を相続して相続税が減税になるケース
小規模宅地等の特例で相続税が減税に
被相続人が居住用や事業用に使っていた土地を相続した場合には、相続税が減税になる可能性があります。
相続した土地が「特定居住用宅地等」や「特定事業用宅地等」に該当する場合には、小規模宅地等の特例により、土地の評価額が80%減額します(※ただし、面積の上限あり)。
特定居住用宅地等
被相続人または同一生計の親族の居住用に使われていた宅地を相続により親族が取得した場合、次の要件のいずれかを満たせば特定居住用宅地等となり、減税の対象になります。
ア 被相続人の配偶者が土地を取得
イ 被相続人の同居親族が取得し、相続開始から相続税申告期限まで所有かつ居住
ウ 被相続人に配偶者・同居親族がいないケースで、過去3年間家を所有しておらず、配偶者や3親等以内の親族・特別な関係のある法人の所有する家にも住んだことがない親族が取得
エ 被相続人と同一生計の親族が取得し、相続開始から相続税申告期限まで所有かつ居住
特定事業用宅地等
被相続人が事業に使っていた宅地を親族が取得した場合、次の要件のいずれかをみたせば「特定事業用宅地等」となり、減税の対象となります。
ア 被相続人の事業を引き継ぐ親族が取得し、相続税の申告期限まで引き続き所有し、かつその事業を営んでいる
イ 被相続人の生前に同一生計で、かつ相続開始の直前から相続税の申告期限までその宅地上で事業を行っている親族が取得し、相続税の申告期限まで引き続き所有
このほかに、相続した土地が同族会社の事業用に使っている宅地で「特定同族会社事業用宅地等」に該当する場合には80%、不動産貸付用の宅地で「貸付事業用宅地等」に該当する場合には50%、土地の評価額が減額になります(※ただし、面積の上限あり)。
配偶者は相続税が大幅減税になる
相続税の計算では、相続人全員の相続税の総額を算出してから、各相続人の取得額に比例するように税額を割り振ります。ただし、配偶者は相続税額から控除が受けられ、大幅に減税になります。
配偶者の税額軽減
相続により配偶者が取得した財産について、次のどちらか多い金額まで、配偶者には相続税がかかりません。
ア 1億6,000万円
イ 配偶者の法定相続分に相当する額
配偶者の税額軽減により、配偶者は高額の土地を取得しても、相続税が減税になり、無税になることも多くなります。
土地を相続して登録免許税が減税になるケース
相続登記をするときには登録免許税がかかる
土地を相続したときには、相続登記をして土地の名義を変更します。相続登記の申請をするときには、土地の固定資産評価額の0.4%の登録免許税を払う必要があります。
土地の登録免許税が減税になるケースはある?
売買の登記では土地の登録免許税が減税になる措置が設けられていますが、相続登記では、これまで登録免許税の減税はありませんでした。しかし、平成30年の税制改正により、一部のケースについて、相続した土地の登録免許税が免税になる措置が設けられました。
土地の登録免許税が免税になるのは、先代からの相続登記がされていない土地を相続したケース、すなわち二次相続が発生しているケースです。この場合、一次相続については登録免許税が免税になり、二次相続についてのみ登録免許税が課税されます。
相続した土地を売却して減税になるケース
土地を売却すると譲渡所得税がかかることがある
相続した土地を売却して譲渡益が発生していれば、譲渡所得税の課税対象になります。被相続人が土地を取得したときの価格よりも、土地の売却時の価格の方が上がっていれば、譲渡益が発生します。
被相続人が古くから所有していた土地を相続し、売却した場合には、譲渡所得税がかかるケースが多くなります。譲渡所得税がかかる場合には、確定申告し、納税する義務があります。
取得費加算の特例で減税に
譲渡所得税を計算するときには、取得費(土地を取得する際にかかった費用)を譲渡益から差し引くことができます。相続した土地を相続税申告期限から3年以内に売却した場合には、払った相続税額の一部を取得費に加算できるので、減税になることがあります。
特別控除で減税に
譲渡所得税を計算するとき3,000万円の特別控除が受けられ、減税になるケースがあります。具体的には、次のようなケースです。
①親と同居していた自宅の土地を相続し、売却した場合
②実家の土地を相続し、解体して更地にするか、リフォームして売却した場合
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