土地・不動産 2018.11.27

マンションを活用して相続税を節税する方法

相続税の節税対策としてオーソドックスな方法の1つに、使っていない土地にマンションやアパートを建てて相続税評価額を下げるというものがあります。土地とマンションを等価交換するという手法も地域によっては有効です。
このように、相続税を抑える上では、マンションを活用した方法は数多くあります。今回の記事では、マンションを活用してどのように相続税を節税できるのかについて紹介しています。

記事ライター:棚田行政書士

配偶者にマンションを贈与する

マンションの相続税を節税する究極の方法は、被相続人が生前にマンションを贈与してしまうことです。特に、「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」を利用した生前贈与は、間違いのない相続税対策として注目されています。

この特例のポイントは、一般の生前贈与と異なり相続開始前3年以内の贈与でも相続財産には加算されないことです。そのため被相続人の死期が迫っており、緊急な対策が必要な場合にも効果的でしょう。

満たすべき主な要件は、以下の4つです。

・正式に婚姻して20年以上経っている夫婦であること

・贈与されるのは国内の居住用不動産、もしくは国内の居住用不動産を購入するための金銭であること

・贈与された土地の翌年3月15日までに、贈与されたマンションに住むこと。または、贈与された金銭を自宅の購入に充てること

・同じ配偶者から、過去にこの特例を利用した贈与を受けていないこと

 

空き地にマンションを建てる

空き地状態の土地は、相続税評価額において何の控除もないため、相続税が高額になりがちです。そこで、空き地に賃貸マンションを建てることで節税するという相続税対策が取られることがあります。

賃貸物件が建っている土地は「貸家建付地」と言います。貸家建付地となることで、空き地状態の相続税評価額に比べ7~8割ほどの相続税評価額で済む場合があるため、相続税の節税になるのです。

さらに、マンションを建てることで現金資産が減る、または借入金が増えて財産が抑えられるという節税効果も発生します。現金を多く保有する資産家向けの相続税対策と言えるでしょう。

賃貸マンション経営は、順調な時にはとても理想的な収入源となりますし、相続税対策としては非常に節税効果の高い方法ですが、それに伴うリスクを常に意識していなくてはなりません。

例えば、空き室リスクがあります。空き室が増えれば、マンションの建築費用を回収できず、赤字経営となってしまうでしょう。

また、時間が経つほどにマンションは劣化するため、自然と空き室は増えていきます。ある程度の築年数が経った頃には、大幅に家賃を下げて募集しなければ、空き室が埋まらなくなる可能性もあるため、注意が必要です。

さらに、相続という点では、マンションは遺産分割のしにくさ、というリスクもあります。入居者がいる以上は、マンションを壊して更地に戻して売却というわけにはいきません。

目ぼしい相続財産がマンション1棟だけになってしまうようでは、相続人全員にどうやって均等に分けられるでしょうか。

賃貸マンション経営では節税効果を狙うことよりも、事業として成り立つ見込みがあるか、遺産分割で問題のタネにならないかなどをよく考慮し、慎重に決断しましょう。

 

敷地が広大な一戸建てから、都心の賃貸マンションに住み換える

郊外の広い敷地に建つ一戸建てに住んでいる場合には、坪単価が高く面積が小さい都心部の賃貸マンションに住みかえるという方法もあります。今後の需要が見込めない地域にある土地や建物は、いくら敷地面積が広くても利用価値は低いものとなります。

一方、都心部のマンション価格はある程度安定しているため、相続開始後にも売却しやすく賃貸マンションとしても貸しやすいというメリットがあるのです。また、面積が330㎡以下のマンションであれば、小規模宅地等の特例も適用できます。

相続人の立場からすると、特例を利用して相続税評価額を抑えた状態でマンションを相続し、相続税の申告期限までマンションを所有してから売却すれば、相続時よりもはるかに高値で売却できる可能性もあるため、相続人が喜んで相続する財産となるでしょう。

 

相続税対策と並行して「納税資金対策」も行うべき

相続対策と言うと、いかに相続税を安く抑えるかに注意が集中しやすいものですが、それよりもさらに大切な対策があります。それが、納税資金対策です。

相続税は、相続開始から10か月以内に申告し、現金一括で納めるのが原則です。納期限内に相続税を納められない場合は、延納手続きか物納手続きを取らなければなりません。

ただし、延納も、物納も、細かい条件や制限が多く、簡単に利用することはできません。しかも延納の場合、決して安いとは言えない利子税がかかるため、金融機関から借金をして払った方がまだ安上がりとなる場合もあります。

相続税を安くできても、その相続税を支払うだけの現金が相続人の手元に残らないようでは残念な結果になります。まずは納税資金を確保し、次いで相続税対策という優先順位を意識するようにしましょう。

 

まとめ

相続税を取り巻く法律や特例は、日々目まぐるしく変化しています。細かい点の改正はほぼ毎年起きているため、今年は有用な特例でも来年には効果が薄れていたり、無くなっていたりするかもしれません。

マンションを活用して効果的な相続税対策をするには、最新情報を常に取り入れておく必要があるでしょう。

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