土地・不動産 2019.04.01

相続財産が不動産のみの場合、どうやって遺産分けをする?

相続が起こったとき、財産がたくさんあるのでなくても、遺産分けがスムーズにいかないことがあります。たとえば、相続財産が不動産のみの場合には、不動産の価格に関係なく争いになりがちです。

ここでは、相続財産が不動産のみの場合、遺産分けの方法をどうするのかを説明します。将来の相続で財産が不動産のみになりそうなら、事前に対策しておいた方がよいのかどうかも知っておきましょう。

記事ライター:ゆらこ行政書士

相続財産が不動産のみなら争いになることがある

不動産を持っていれば相続争いの可能性がある

「うちには財産はないから相続争いは起きない」と思っている人も多いでしょう。しかし、目立った財産がなければ、相続争いとは無縁ということはありません。

持家がある人なら、不動産という財産を持っているはずです。不動産を持っていれば、相続発生時に争いになる可能性もあります。たとえ、土地の値段が下がって、高い値がつかない不動産であっても、関係ありません。

不動産をめぐる相続争いとは?

不動産で相続争いになる場合として、相続財産が不動産のみなのに、相続人がたくさんいるケースがあります。不動産というのは、簡単に分けられません。土地なら分筆するという方法もありますが、建物を物理的に分けるのは不可能です。

相続人の1人が不動産をもらえば、他の相続人がもらうものがなくなってしまいます。相続財産が不動産のみであれば、遺産分けがスムーズにいかなくなってしまうのです。

 

相続財産が不動産のみの場合の遺産分割方法

相続財産が不動産のみの場合でも、次のような方法を使えば、遺産を分けることができます。

1.共有分割

共有分割とは、相続した不動産を共有にする遺産分割方法です。不動産は、共有名義にすることもできます。相続した不動産を相続人全員で法定相続分ずつ共有することにすれば、公平な遺産分割が可能です。

しかし、不動産を共有にすれば、争いを将来に持ち越してしまうことにもなりかねません。不動産の共有持分を持っていても、持分だけ売却するのは困難です。

一方、不動産全体を売却するには、共有者全員の合意が必要になります。結局、不動産が共有状態であれば、不動産を自由に処分等して活用することができません。

相続財産が不動産のみであっても、不動産を共有にするのはできるだけ避けた方がよいでしょう。

2.換価分割

換価分割とは、不動産を売却して売却代金を分ける遺産分割方法です。不動産が現物のままならうまく分けられませんが、売却して金銭に換えれば簡単に分けられます。

相続人の中に不動産を利用したい人がいれば、換価分割するわけにはいかないでしょう。誰も不動産を使うつもりがないなら、換価分割することで公平な遺産分割ができます。

換価分割では、売却の経費がかかる上に、譲渡所得税が発生することもあります。慎重に検討するようにしましょう。

3.代償分割

代償分割とは、不動産の現物を特定の相続人が取得し、他の相続人に代償金を払って精算する方法です。

たとえば、被相続人の子2人が相続人の場合、それぞれ2分の1ずつ相続分があります。1人が不動産を相続し、もう1人に不動産の価格の半分の現金を渡せば、公平な遺産分割が可能です。

代償分割をするには、代償金に充てる現金が用意できなければなりません。不動産をもらう人が現金を持っていなければ、代償分割は不可能なことがあります。

 

相続財産が不動産のみの場合の相続対策

相続財産が不動産のみしかない場合に、相続争いを防ぐためには、生前に相続対策をしておきましょう。相続財産が不動産のみの場合の相続対策としては、次のような方法があります。

遺言書を作成

相続が発生したとき、被相続人が遺言書を残していれば、遺言書に優先的に従って遺産分けをすることになります。遺言書を用意し、遺言書の中で不動産を相続する人を指定しておけば、遺産分けで争わずに済むかもしれません。

ただし、不動産を相続する人以外の相続人が、遺留分を持っている人(遺留分権利者)であれば、注意が必要です。

不動産を1人に相続させれば、遺留分権利者が何も相続できません。この場合、遺留分権利者が遺留分減殺請求をする可能性があるため、争いになってしまうことがあります。

不動産を相続させたい人以外の相続人が、兄弟姉妹など遺留分のない人であれば、遺言書の作成は有効です。遺留分権利者である場合には、生前に遺留分放棄をしてもらうと安心でしょう。

生命保険に加入

たとえば、相続人の1人である長男と同居している場合、長男が代償分割により不動産を相続できれば問題はないでしょう。しかし、長男に代償金を払えるだけのお金がなければ、代償分割は不可能になってしまいます。

このような場合、長男を受取人とした生命保険に加入することを検討してみましょう。相続開始後に長男が保険金を受け取れば、代償金の支払いが可能になります。

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