土地・不動産 2019.06.04
相続不動産を現金化する際、安く買い叩かれないためのポイントとは
相続によって取得する不動産が自宅などであれば、そのまま引き続き使用することもありますが、アパートなどの賃貸物件や、ワンルーム投資などの区分マンションなどについては、場合によっては売却して現金化を検討するケースも出てきます。
特に、相続税の納税資金が十分ではない場合は、相続不動産を売却して、現金化をすることもあるでしょう。ただ、相続不動産を現金化する際には、安く買い叩かれることも多いため、注意が必要です。そこで今回は、相続不動産を現金化する際に、できる限り希望額で売却する方法について解説します。
相続不動産が安く買い叩かれやすい理由とは
相続不動産を現金化する際には、まず不動産会社と媒介契約を結んだ上で、広く買主を募集してもらうことになります。
ただ、相続不動産は通常の不動産売買とは違い、価格を値切られやすいという傾向があることを念頭において、事前に対策を立てておくことが重要です。
相続不動産の現金化のリミット
相続不動産を現金化する理由の多くは、相続税の納税資金にあてるためです。よって、自然と相続不動産を現金化する際には、「相続税の納税期限まで」というリミットがついてきてしまいます。
相続税は相続開始後10ヶ月以内に申告と納税をしなければならないため、相続人はこの期間内に不動産を売りきらなければならないのです。
相続不動産が都内の人気のある立地にあればよいのですが、地方や郊外の物件については、通常価格で募集に出しても、相続税の納税期限までに現金化できない可能性があります。
相続不動産の買主は、相続の場合現金化に期限がある事を知っているため、それを盾にして金額を交渉してくるのです。
相続人としても、相続不動産が現金化できないと、相続税の納税資金のあてがなくなってしまうので、期限ギリギリになると仕方なく金額交渉に応じるしかなくなってしまいます。
相続不動産を買い叩かれないようにするために
相続不動産が買主に買い叩かれないようにするためには、次のような対策が必要になります。
当初の価格設定を引き上げる
相続不動産の現金化については、買主からほぼ間違いなく価格交渉が入ります。そこで、価格交渉が入ることを見越して、できれば少し上乗せした価格で募集を開始すると、価格交渉されたとしても、ある程度の目線で現金化することが可能です。
あまり上乗せしすぎると買付け自体が入らなくなってしまうため、金額については不動産会社の担当者と相談して決めましょう。
相続開始後、できる限り早めに募集開始する
相続不動産をできる限り高く売るためには、募集期間に余裕を持つことがとても重要です。相続税の納税期限まで1〜2ヶ月と迫ってから募集を開始すると、切羽詰ってしまうため、買主から言われるがまま、現金化の条件をのまなければならなくなってしまいます。
相続が発生して納税資金が不足することがわかった場合は、できる限り早めに不動産会社に依頼して、買主を募集してもらいましょう。
ただし、相続人が複数いる場合については、1人の相続人が単独で動いて不動産会社に依頼するとトラブルになるため、必ず遺産分割協議をして他の相続人の同意を得てから動くようにすべきです。
相続であることをできるだけ伏せる
相続不動産が買主から買い叩かれる一番の原因は、募集に出ている物件が相続不動産であることが相手にわかるからです。よって、不動産会社に買主募集を依頼する際に、相手方には相続が原因で売却することを可能な限り伏せてもらうよう伝えておくとよいでしょう。
ただ、募集を依頼する不動産会社に対しては、相続であることを伝えて、いつが相続税の納税期限かを伝えておかないと、現金化のタイミングが納税期日までに間に合わない可能性がありますので、その点には十分に注意しましょう。
相続不動産で現金化されるタイミングについて
不動産の現金化については、他の財産とは違い、売買契約をしてから、実際に手元に現金が来るまでにそれなりの時間がかかります。
一般的には、売買契約を締結した当日に現金化できるわけではなく、別途設定した決済日に現金化されることになるため、注意が必要です。
決済日については、売買契約締結後1~2ヶ月後くらいで設定することが多いですが、買主によっては3ヶ月以上先の日付を指定されることもあるため、相続税の納税期限に現金化が間に合うのか、不動産会社の担当者と入念に打ち合わせするようにしましょう。
まとめ
相続不動産については、買主側から足元を見られる傾向があるため、現金化する際には、今回ご紹介したような事前対策を講じることをおすすめします。また、現金化のタイミングは売買契約をしてから数ヶ月かかるため、相続税の納税期限に間に合うよう、事前に不動産会社と打ち合わせをしておきましょう。
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