遺産相続・遺産分割 2017.12.11

遺産相続を司法書士に依頼するメリット

遺産相続のときには、様々な手続きが必要になるため、専門家に依頼することを考える方も多いと思います。遺産相続を依頼できる専門家として、司法書士があります。ここでは、遺産相続を司法書士に依頼すると、どんなメリットがあるのかについて説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

司法書士には相続人調査や相続財産調査を任せられる

相続人調査がスムーズにできる

遺産相続が発生したら、まず、相続人が誰であるかを調べて確定する必要があります。相続人調査では、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・原戸籍謄本含む)を集めたうえで、相続人の戸籍を追っていきます。なお、遺産相続の際の戸籍謄本の取り寄せには、かなりの手間がかかります。というのも、1人の人の戸籍謄本が1通で済むということはほとんどないからです。

通常、結婚すれば親の戸籍を出て新しい戸籍を作ります。また、転籍や離婚で戸籍を移動することもあります。さらに、戸籍はこれまでに何度か改製が行われており、その都度新しい戸籍に変わっています。相続人調査では、被相続人と相続人の戸籍がつながるように全ての戸籍謄本を揃えなければなりません。同じ役所で揃うことはまれで、収集には手間や時間がかかってしまいます。

その点、遺産相続を司法書士に依頼すれば、戸籍謄本の収集を代わりに行ってもらえます。遺産相続などにおいて、司法書士は書類の取り寄せに慣れた専門家ですから、必要な戸籍謄本をスムーズに集めることができます。

面倒な相続財産調査もおまかせ

遺産相続の手続きを行う前提として、相続財産にはどんなものがあるのかについても確定しなければなりません。相続人が把握している以外の財産が見つかることもあります。場合によっては、金融機関で残高証明を請求したり、役所で所有している不動産の所在を確認したりしなければならないこともあり得ます。

遺産相続を司法書士に依頼すれば、相続財産調査を任せることができます。平日の昼間に自分で金融機関や役所に行く必要もなくなりますから、相続財産調査にかかる手間を大きく削減することができます。

 

司法書士には遺産分割協議書を作成してもらえる

遺産相続の手続きには遺産分割協議書が必要

被相続人が遺言を残していない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行って遺産をどう分けるかを決める必要があります。さらに、遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議書を作成しなければなりません。相続登記や預貯金の名義変更などの相続手続きは、遺産分割協議書に基づき行うことになるからです。

遺産分割協議書は注意して作成する必要がある

遺産分割協議書には決まった書式があるわけではありませんが、注意しておかなければならない点がたくさんあります。たとえば、不動産については登記事項証明書どおりに記載して特定しなければなりませんし、当事者の住所は住民票どおりに表記しなければなりません。また、遺産分割協議書には、相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。もし記載等に不備があれば、相続手続きがスムーズにできず、作成し直しを求められることもあります。

遺産相続で必要な遺産分割協議書は司法書士に作成してもらえる

遺産相続を司法書士に依頼した場合には、遺産分割協議書の作成も任せることができます。遺産相続などにおいて、司法書士は書類作成に慣れた専門家ですから、手続き上問題のない形で、遺産分割協議書を作成してもらえます。

 

司法書士には相続登記申請の代理人となってもらえる

不動産の相続では相続登記が必要

相続財産の中に不動産が含まれているケースは多いと思います。不動産の相続手続きとは、法務局で相続を原因とする所有権移転登記(相続登記)を行うことです。相続登記をしなければ、不動産の名義を相続人に変更することができません。相続した不動産を売却する場合にも、その前提として相続登記が必要になります。

登記申請には厳格なルールがある

相続登記を申請するには、登記申請書と添付書類を法務局に提出する必要があります。登記申請書は定められたルールに従って作成しなければならず、戸籍謄本等の添付書類も漏れなく用意しなければなりません。登記申請のルールは厳格になっているため、登記申請書の記載や添付書類に不備があれば、訂正のために何度も法務局の窓口に出向かなければならないこともあります。

遺産相続で登記が必要なら司法書士に依頼

遺産相続を司法書士に依頼すれば、相続登記の手続きを任せられます。遺産相続などにおいて、司法書士は登記申請を代理できる実質的に唯一の専門家ですから、不動産が含まれる遺産相続では、司法書士に手続きを依頼するメリットは大きいといえます。特に、先代からの遺産相続の際に相続登記がされていない場合などは手続きが複雑になりますから、司法書士に登記申請を任せた方が安心です。

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