土地・不動産 2018.08.30

土地の親子間相続に備えて対策すべきことは?

土地を持っている人が亡くなると、土地の親子間相続が起こることが多いでしょう。土地は財産的価値のあるものですから、相続税や相続争いに注意しておかなければなりません。ここでは、土地の親子間相続に備え、生前から行っておくべき対策をまとめています。

記事ライター:ゆらこ行政書士

いつかは発生する土地の親子間相続

子は第1順位の相続人

相続が起こったときには、亡くなった人の子は第1順位の相続人となります。これは、亡くなった人に子がいれば、子は必ず相続人になるということです。前妻の子も相続人になります。また、妻の子でなくても、認知していれば相続人になります。

親子間の土地の相続は事前の対策が必要

親が土地を持っている場合、子はその土地を、将来的に相続することになります。土地は高額ですから、相続税の心配があります。また、子が1人でない場合には、土地の相続をめぐって、兄弟間で争いになることも考えられます。

将来、土地の親子間相続が発生する場合には、生前から対策を考えておきましょう。トラブル防止や節税のために、最も良い方法を見つけることが大切です。

 

親子間の土地の相続で子供同士の争いを防ぐ方法

土地の親子間相続は争いの種になりやすい

子が1人しかいない場合には、相続の際に問題が起こることもさほどありません。しかし、子が2人以上いる場合、相続争いになってしまうことがあります。

たとえば、相続人が長男と次男の2人である場合、遺産分割の際には、長男と次男のどちらが土地を取得するかでもめてしまいがちです。

遺産分割をスムーズに行うために、土地を共有にする方法もあります。しかし、土地を売却するときには、長男と次男が合意しなければならず、将来的にやはり争いになってしまう可能性があります。

土地をどの子に相続させるかを決めて遺言を書く

土地の親子間相続では、兄弟争いにならないように、遺言を書いておくのがおすすめです。遺言では、自分の財産を誰に相続させたいかを自由に決めることができます。「土地を長男に相続させる」という遺言を書いておけば、土地の相続をめぐる兄弟の争いを防ぐことができます。

遺言を書くときには、遺留分に注意しておく必要があります。長男に土地を相続させるときには、次男に少なくとも遺留分相当の財産を相続させる遺言を書いておくべきでしょう。

遺言を書いて土地を配偶者に相続させる方法もある

自分が亡くなったとき、配偶者が生きていれば、配偶者も子供と一緒に相続人になります。夫婦と親子では、立場が違います。たとえば、遺言を書いて土地を妻に相続させれば、長男や次男は異議を唱えないことが多いでしょう。

土地を妻に相続させる場合には、妻が亡くなったときの二次相続で、長男と次男が土地を相続することになります。2回の相続を経ると相続税の負担が大きくなってしまうことがあるため、事前にシミュレーションしておくのが賢明です。

 

親子間の土地の相続で相続税を安くする方法

親子間の土地の相続で相続税がかかるケースとは

土地の親子間相続があっても、必ず相続税が発生するわけではありません。相続税が発生するのは、相続財産全体の額が、次の計算式で出される基礎控除額を超えている場合です。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

土地の値段が安いときに生前贈与する

親子間で土地を生前贈与する場合には、相続時精算課税を選択し、2,500万円までの非課税贈与ができます。相続時精算課税では、相続時ではなく贈与時の価格で土地を評価することになります。

土地が将来的に値上がりする見込みである場合には、相続時精算課税を使って生前贈与をすることにより、相続税を抑えることが可能です。

自宅の土地は小規模宅地等の特例が使える

亡くなった親の土地(自宅等の建物の敷地)を子が相続した場合、小規模宅地等の特例を適用することによって、評価額が下がり、相続税が抑えられます。

親子間相続で小規模宅地等の特例を受けるには、子が相続した土地をすぐに売却することなく、相続税の申告期限まで所有し続ける必要があります。

また、土地を取得した子が、親と同居していた子か、同居していなかった子かによって、それぞれ次のように条件があります。

1. 親と同居していた子が土地を取得した場合

→その土地に建っている家に申告期限まで居住していることが条件

2. 親と同居していなかった子が土地を取得した場合

→次の①②のいずれかに該当することが条件

①亡くなった親に配偶者、同居親族がおらず、土地を取得した子が3年間持家に居住したことがない
②土地を取得した子が亡くなった親と同一生計で、相続開始前から申告期限まで土地に建っている建物に居住を続けている

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