土地・不動産 2018.10.18
相続した土地の名義変更を、司法書士に依頼した方が良いケースとは?
土地を相続した人は、土地の名義を自分のものに変更する手続きをしなくてはなりません。土地の名義変更は、法務局で所有権移転登記をすることで完了します。登記は司法書士の専門分野なので、司法書士に丸投げしてしまえば一番スムーズに名義変更できますが、自分で名義変更しようと考える相続人もいます。
相続人が自分で名義変更することも不可能ではありませんが、司法書士でなければ対応できないような状況もあるため、ケースバイケースと言えます。今回は、相続した土地の名義変更について、司法書士に依頼した方が良いケースをご紹介します。
名義変更手続きに時間を取れない場合
司法書士への依頼費用を節約するために、相続人自らが土地の名義変更にトライすることもよくあります。
しかし、平日の日中に自由にできる時間をたくさん持っており、必要な書類を首尾よく収集し、フットワーク軽く動き回れる人でなければ難しいのも事実です。
多くの相続人にとって最もネックになるのは、時間です。土地の名義変更のためには、法務局や市区町村役場、郵便局など、平日しか開庁していないところへ何度も足を運ぶ必要があります。
手を付け始めた後に、途中で挫折して司法書士を頼る相続人も少なくありません。名義変更に時間を取れないことが明らかな人は、最初から司法書士に依頼してしまい、本来の仕事や家事に集中する方がはるかに良いでしょう。
また、土地の名義変更をできるだけ早く完了させたい場合も、司法書士を頼るのがベストです。
土地の相続で「数次相続」が発生している場合
ひとつの土地について、複数の相続が絡んでいる「数次相続」の場合、相続人が自分ひとりで名義変更を終えるのは困難になります。
数次相続とは、土地や建物を相続した人が名義変更を終えないまま亡くなってしまい、第二、第三と複数の相続が発生してしまった状態のことを言います。
土地の相続問題に精通している司法書士の場合は、登記上の権利者から現在の相続人へ直接登記をするための手続きを代行してくれます。
これは、司法書士の腕だけでなく様々な条件が関係してくる手続きなのですが、効率の良い名義変更の仕方を司法書士はよく知っているので、複雑な名義変更も安心して任せることができます。
数次相続という厄介な状況化で相続人がひとりでもがくよりも、司法書士に依頼した方が無駄な費用をかけずに、素早く名義変更を完了できるでしょう。
相続財産である土地の数が多い場合
名義変更しなければならない土地がたくさんある場合も、名義変更のための登記はそれぞれ個別に行わなければなりません。
相続財産である土地が日本国内の広い範囲へ点在しているようなケースでは、各地の法務局の往復だけでも膨大な時間と労力、そして交通費が必要です。
土地の名義変更を司法書士へ依頼するにしても依頼費用はかかりますが、時間や体力が有り余っている人でない限りは、司法書士に依頼費用を払う方が何かと得になるでしょう。
名義変更したい土地の権利状態がまばらな場合
相続財産となる土地が複数あって、それぞれ権利状態がまばらなこともあります。例えば、ある土地は被相続人の単独所有なのに、他の土地は共有名義になっている場合などです。
さらに複雑なケースとしては、共有名義の土地について、幾度も持分の譲渡や取得が繰りかえされていることもあります。
こうなると、相続人が自力で現状を正確に把握し、どうすべきかを判断することはほぼ不可能でしょう。最善の解決策を打ち出せるのは、登記問題の専門家である司法書士です。
名義変更したい土地に、他人の権利が関係する場合
相続財産の土地に他人の権利が関係する場合も、名義変更は難しくなります。
例えば、一続きの土地だと思っていたのに、よく調べると実は道路で分断されていることが分かるケースもあります。
土地の一部に借地権が設定されていたり、担保権がそのままになっていたりすることもあるのです。被相続人が多額の債務を抱えていた場合は、土地の差し押さえが発生していることさえあるでしょう。
登記上の権利者以外の人の権利が関係している土地は、そのままでは活用方法が著しく限られます。そのまま名義変更しても、相続人にほとんどメリットはありません。土地の名義変更の前に他人の権利を抹消したい場合も、司法書士へ依頼するのがベストです。
まとめ
相続した土地の名義変更は、相続人でも行えます。しかし、状況によっては、司法書士に依頼費用を払うとしても、すべて任せてしまった方が相続人にとってプラスになることもあります。
費用面のことだけにとらわれず、「本当に自分で名義変更できる状況だろうか」と自問してみるのは賢明なことです。
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