遺産相続・遺産分割 2018.01.08

相続はどの専門家に相談する?相続業務ができる4つの国家資格

相続の専門家にはいろいろな種類があるので、相続についてどの専門家に相談したらよいか迷ってしまうこともあると思います。ここでは、相続に関する4つの国家資格者(行政書士、司法書士、弁護士、税理士)について説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

遺産分割協議書作成なら行政書士

行政書士は相続にも対応できる国家資格

相続の専門家としては、国家資格者である行政書士がいます。行政書士は、他人の依頼を受けて、役所への許認可等の申請書類の作成や提出、権利義務・事実証明に関する書類の作成などを行うことができます。相続関連では、遺言書の作成や遺産分割協議書の作成を行政書士に依頼できます。

行政書士の国家資格者に相続の相談をするメリットとデメリット

行政書士に遺言書作成を依頼すれば、公正証書遺言作成時の証人や遺言執行者にもなってもらえます。また、行政書士に遺産分割協議書作成を依頼すれば、手続きに必要な戸籍謄本等の収集も代行してもらえます。行政書士の報酬は、司法書士や弁護士といった他の相続に関する国家資格を持った専門家と比べて、比較的安いというメリットもあります。

なお、行政書士は、紛争のある案件に関与することはできません。既に相続紛争になっている場合には、弁護士の国家資格を持った人に相談する必要があります。また、不動産を相続した場合には相続登記の手続きが必要ですが、行政書士は相続登記を代理することはできません。相続登記は司法書士に依頼する必要があります。

 

相続財産に不動産があるなら司法書士

司法書士は登記手続きの専門家

相続の専門家には、国家資格者である司法書士もいます。司法書士の主な仕事は、依頼者の代理人として、不動産登記や商業登記などの登記申請を行うことです。また、司法書士は裁判所に提出する書類を作成することもできます。さらに、法務大臣の認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所で取り扱うことができる請求額が140万円以下の民事事件について、代理人となって訴訟などを行うことも可能となっています。

相続に関しては、司法書士は不動産の相続登記を行うことができます。司法書士は、相続登記の前提として、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成を行うこともできます。相続放棄が必要なケースでは、相続放棄申述書の作成を司法書士に依頼することも可能です。

司法書士に相続の相談をするメリットとデメリット

行政書士や弁護士といった他の国家資格者に相続手続きを依頼した場合でも、通常、相続登記については別途司法書士に依頼することになります。司法書士の国家資格者に相続手続きを依頼すれば、相続登記も含めて対応してもらえるというメリットがあります。

なお、相続人間で遺産分割について争いになっている場合、司法書士は家庭裁判所に提出する遺産分割調停申立書を作成することはできますが、申立代理人となって裁判所に行くことはできません。相続紛争になっている場合には、弁護士資格を持った専門家に相談するのがおすすめです。

 

相続紛争を解決したいなら弁護士

弁護士には裁判所の手続きや交渉などを幅広く任せられる

相続業務ができる国家資格者の中で、最も幅広い業務を行うことができるのが弁護士です。弁護士は、依頼者の代理人となって、訴訟など裁判所における手続きができるほか、相手方と交渉を行うこともできます。相続紛争に対応できる国家資格者の専門家は、弁護士のみと考えてかまいません。

弁護士に相続の相談をするメリットとデメリット

遺産分割で他の相続人と直接関わりたくない場合、弁護士に依頼すれば、代理人として他の相続人と話をしてもらうことができます。遺産分割協議が成立しない場合には、代理人として弁護士に遺産分割調停を申し立ててもらうことも可能です。

弁護士に相続の相談をするデメリットは、費用がかかってしまうことです。弁護士の報酬は、他の専門家の報酬と比べて一般に高額です。争いのないケースで書類の作成や登記手続きだけを依頼したい場合には、行政書士や司法書士に依頼した方がかかる費用が少なくて済みます。

 

相続税の申告が必要なら税理士

税理士は相続の税務申告を代理できる国家資格者

税理士は、税務署への税務申告を代理できる唯一の国家資格者です。相続案件では、税理士に準確定申告や相続税の申告を依頼することができます。

税理士に相続の相談をするメリットとデメリット

相続財産の額が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告が必要になります。相続税の申告では、相続財産の評価や税額の計算に専門的な知識が必要になるため、税理士に依頼しなければ困難なケースが多くなっています。

なお、弁護士資格がない税理士が相続紛争に関与したり、行政書士資格がない税理士が遺産分割協議書を作成したりすることはできません。そのため、税理士に相続案件を依頼する場合にも、他の専門家の関与が必要になることがあります。

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