遺産相続・遺産分割 2018.02.01

遺産相続の割合はどのようにして決まる?

遺産相続では、1人の相続人が全財産を相続するというケースは少なく、ほとんどの場合複数の相続人で遺産を分けることになります。ここでは、遺産相続で各相続人が相続する割合はどのようにして決まるかを説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

遺産相続で相続人が相続できる割合

・遺産相続するのは法定相続人

人が亡くなると、遺産相続が発生します。遺産相続では、相続人と呼ばれる人が亡くなった人の財産を承継することになります。誰が相続人になるかは民法で定められており、法律で定められた相続人という意味で「法定相続人」と呼ばれることもあります。

・法定相続人になれる人

法定相続人は、「配偶者相続人」と「血族相続人」に分かれます。配偶者相続人とは、配偶者ただ1人になります。一方、血族相続人は複数いることがあります。

血族相続人になれる人には、優先順位があります。亡くなった人に子がいれば、子が相続人になりますが、子がいない場合には直系尊属のうち最も親等の近い人(多くは父母)が、子も直系尊属もいない場合には兄弟姉妹が相続人になります。なお、子と兄弟姉妹については、相続開始時に既に亡くなっていても、その下の世代が相続資格を引き継ぐ代襲相続があります。

・各法定相続人が遺産相続できる割合

民法では、各相続人が遺産相続できる割合についても定めており、これを「法定相続分」といいます。法定相続分は、相続人の組み合わせによって、次のように変わります。

(1) 配偶者相続人のみの場合

この場合には、配偶者が1人で全財産を相続することになります。

(2) 配偶者相続人+血族相続人のケース

この場合には、血族相続人のうち誰が相続人になるかによって、遺産相続の割合が次のように変わります。

ア.配偶者+子→配偶者2分の1、子2分の1

イ.配偶者+直系尊属→配偶者3分の2、直系尊属3分の1

ウ.配偶者+兄弟姉妹→配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

なお、血族相続人が複数いる場合、各相続人が均等な遺産相続の割合で相続することになります。ただし、代襲相続人については、被代襲者の相続分を代襲相続人の人数で割ります。

(3) 血族相続人のみのケース

この場合には、血族相続人で全財産を相続することになり、血族相続人が複数いる場合には各相続人が均等な遺産相続の割合で相続します。ただし、代襲相続人については、被代襲者の相続分を代襲相続人の人数で割ります。

遺産相続の割合は遺産分割協議で決める

・遺産分割協議で遺産の分け方を決める必要がある

民法では、法定相続人が法定相続分に応じて遺産を相続するというルールが規定されています。もし遺産が現金や預金だけなら、法定相続分どおりに簡単に分けることができますから、特に問題はありません。しかし、実際のところ、遺産の中には簡単に分けられないものが含まれていることが多いはずです。

たとえば、不動産は物理的に分けられるようなものではありません。相続人全員で法定相続分ずつ共有する方法もありますが、不動産を共有とすると売却するのにも共有者全員の同意が必要になるなど、面倒なことになってしまいます。

こうしたことから、遺産相続の割合を具体的にどのように決めて分けるかについては、相続人全員で話し合って決める必要があります。遺産を分けるための話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。

・法定相続分と異なる遺産分割も有効

遺産分割協議では、必ず法定相続分どおりに遺産を分けなければならないわけではありません。法定相続分と異なる遺産分割も有効です。相続人全員が合意しているのであれば、遺産相続の割合をどのようにしても問題はないということです。

なお、遺産分割協議で遺産の分け方が決まらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てることができます。遺産分割調停では、相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる遺産相続の割合で決着することがあります。一方、遺産分割審判になった場合には、法定相続分に従って遺産分割が行われることになります。

遺産相続の割合は遺言で指定できる

・指定相続分とは

自分が亡くなった後の遺産相続について、法定相続分どおりに相続させたくない場合には、遺言を書いて相続割合を指定しておくことができます。遺言で指定した遺産相続の割合のことを「指定相続分」といいます。

・指定相続分が遺留分を侵害する場合

民法では、兄弟姉妹以外の相続人に、遺留分を認めています。遺留分とは、遺言によっても奪うことができない最低限の遺産相続割合のことになります。

指定相続分が遺留分を侵害するものである場合、遺留分を侵害された人は自己の遺留分の取り戻しを請求できます。遺留分の取り戻しを請求することを「遺留分減殺請求」といいます。

なお、遺留分を持っていても、遺留分減殺請求を行わず、遺留分を放棄してもかまいません。この場合には、遺留分を侵害する指定相続分も有効になります。

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