遺産相続・遺産分割 2018.02.21

遺産分割において兄弟で争った場合の解決方法

遺産相続が始まると、被相続人の配偶者やその子どもたちの間で、遺産分割が進められます。 遺産分割は、遺言があれば遺言に従って、遺言がなければ法定相続分に従って、各相続人に公平に分割される必要があります。

しかし、親しい兄弟間であっても、あるいは親しいからこそ、お互いに遠慮がなくなってしまい、遺産分割を巡って争いになることも考えられます。遺産分割で兄弟が争うことの多いケースと、兄弟間で争いが起きた場合のケース別の解決方法をご紹介します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

兄弟が遺産分割でもめるケース1

では、被相続人の子どもたちが、遺産分割を巡って兄弟間で争うことの多い3つの例と、その解決方法をご紹介します。

・被相続人と同居していた兄弟が、遺産を独占しようとする

兄弟の中には、被相続人と同居して生活を支えてきたり、被相続人の晩年には介護や看護をしたりして献身的に尽くしてきた人がいるかもしれません。

被相続人に寄り添っていた期間が長いほど、あるいは被相続人のために犠牲にしてきた時間が多いほど、遺産分割の時にその分の見返りが欲しいと感じるのは無理もないことかもしれません。

しかし、その兄弟が「最後まで面倒を見てきたのは自分だ。だから遺産分割はしないで自分がすべて相続する」と言いだしたら、困った事態になります。

この場合は、遺産分割の際に「寄与分」に配慮することで何とか納得してもらえないか、兄弟を説得することができます。

寄与分とは、被相続人の財産形成や維持のために特別な貢献をした人に対し、他の相続人の相続分よりも多くの相続分を与えることのできる概念です。

家族として当たり前のレベルの貢献では認められないこともありますが、その兄弟が被相続人の事業を手伝ったり、病気の際に介護したことで施設への入居費用が浮いたりした場合には、寄与分に配慮することが正当と見なされることが多くなります。

他の兄弟が譲歩する姿勢を見せており、遺産分割協議の時にその兄弟へ多くの遺産を配分することに同意してくれる場合は、シンプルに遺産分割協議でそのことを決定し、書面にすれば解決できます。

もし、遺産を独占しようとする兄弟が寄与分などでは納得せず、あくまで遺産すべてを独占するつもりであるなら、他の兄弟たちは遺留分減殺請求権を行使して自分の取り分を請求することになるでしょう。

 

兄弟が遺産分割でもめるケース2

・音信不通、または遺産分割に非協力的な兄弟がいる

兄弟の中に長年音信不通の兄弟がいる場合もあるでしょう。努力して調査しても、その兄弟の現住所や所在すら分からない場合は、行方不明の相続人として家庭裁判所へ「不在者財産管理人」の選任を申立てることになります。これによって、音信不通の兄弟がいなくても遺産分割を進めることが可能になります。

一方で、所在は分かっているものの、意図的に遺産分割協議に参加しないような遺産分割に非協力的な兄弟がいる場合はどうしたら良いでしょうか。

他の兄弟が説得しても遺産分割に応じないなら、家庭裁判所で遺産分割調停を起こし、法の場で遺産分割を行うほか解決方法はないでしょう。兄弟が調停にも出廷してこない可能性があるかもしれませんが、その場合は調停から一段階進んだ「審判」を行うことになります。

審判では、裁判官らが遺産分割を強制的に決定するため、否が応でも遺産分割は解決します。

 

兄弟が遺産分割でもめるケース3

・遺言の内容が極端である

遺産分割に応じず独占しようとする兄弟がいる場合のケースでも触れましたが、遺言の内容が「遺産はすべて○○へ贈る。後の者には一切相続させない」など極端な内容の場合は、遺留分減殺請求を行う可能性が出てきます。

遺留分とは、被相続人の配偶者および子ども、または直系尊属にのみ認められている最低限の遺産の取り分です。

遺言の内容が極端であり、遺産を贈ると指定された相続人自身も他の相続人へ遺産分割する意思がない場合には、遺留分減殺請求権を行使します。遺留分減殺請求は、侵害を知ってから1年以内に、遺留分を侵害している相手に遺留分を請求する意思表示をすることで行えます。

遺留分減殺請求をしても応じてもらえない場合には、相続問題に強い弁護士などに相談することが解決への近道でしょう。

 

まとめ

兄弟間でも、遺産分割を巡る大小の争いが起きることはあります。遺産分割は資産家に限らず、誰でも直面する可能性を持っています。自分が他の兄弟の権利を侵害しないよう、また権利を侵害された場合に対処できるよう、前もって知識を得ておきましょう。

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