遺産相続・遺産分割 2018.03.09

遺産相続で株を相続する場合

遺産相続では、遺産相続するすべての相続人が不満を持つことのないよう、遺言もしくは法定相続分に従って遺産を分割する必要があります。遺産相続する財産が現金や預貯金であれば分割しやすいのですが、分割しにくい財産もあります。

例えば、株式もそのひとつです。ここでは、遺産相続で株を相続する場合に覚えておきたいことや、遺産相続で株を分割する方法についてご紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

遺産相続で上場株式を相続する場合

遺産相続で相続する株式が上場株式であれば、まず株式を相続する相続人の証券口座に株式を移動させる手続きを行います。被相続人と、遺産相続する相続人の証券口座が別会社の場合も、株式を移動させることは可能と思われます。

ただし、会社ごとに定めている手数料が発生する可能性があります。遺産相続する相続人が証券口座を持っていないなら、被相続人と同じ証券会社で証券口座を開設しましょう。これによって、株式の移動がスムーズに進みます。

株式移動の手続きでは、まず初めに、被相続人の証券口座のある証券会社の支店に連絡し、被相続人の死亡の事実を伝えます。被相続人の口座を特定するため、口座番号が分かる書類があれば、用意しておきましょう。

その後、相続手続き依頼書や、その他の必要書類が送られてきます。必要書類や相続人が用意するべき書類は、遺産相続する相続人の状況によって異なります。

例えば、遺産分割協議を行って株式を相続する場合と、他に遺産相続する相続人がおらず、自分一人で遺産相続する場合とでは必要書類が違ってきます。

遺言書による相続なのか、調停や審判で決まった相続なのかによっても違いがあります。移管した株式をそのまま保有しておくつもりなのか、株式を売却して遺産相続する相続人に分割したいのかなど、移動した株式をどう利用するつもりかについても伝えておくと安心でしょう。

ちなみに、株式の残高が分からない場合や相続税の試算をしたいなどの場合には、残高証明書を請求しておきます。こちらから請求しない限りは送られて来ない書類ですので、必要な場合は忘れずに請求しておきましょう。

無事に書類のやり取りが済めば、名義書換の済んだ株式が相続人の証券口座へ移管されます。その時点で、上場株式の遺産相続は完了です。

 

非上場株式の場合

非上場株式はその名の通り「非上場」のため、市場での取引価格がありません。証券会社も無関係であり、客観的な評価が非常に難しい株式となっています。

非上場株式の評価方法には、「原則的評価方式」と「配当還元方式」の2パターンがあり、原則的評価方式はさらに3つのパターンに細分化しています。

原則的評価方式の3パターンは、その会社の規模によって分かれているもので、従業員数や総資産額、取引金額などの要素によって大規模・中規模・小規模の3パターンに分けられています。

さらに、非上場株式をどちらの方法で評価すべきかについては、同族株主の有無も関係してきます。非上場株式の評価は「この場合はこの方式」という分類が非常に細かい上に複雑で、専門家でなければ理解することも難しいものです。

特に遺産相続という場面においては、上場株式のように容易に売却できない可能性もあることを考慮しなければなりません。遺産相続で非上場株式を相続した場合は、遺産相続問題に強い弁護士などに早めに相談する方が良いでしょう。

 

遺産相続で相続した株式を分割する方法

遺言書がなく、遺産相続する相続人が複数いる場合は、それぞれに均等に遺産を分配しなければなりません。

しかし、均等に分配するとなると、株式を遺産相続する相続人それぞれが証券口座を開設し、証券会社に対して移管手続きを依頼することになり、煩雑になります。

加えて、株式特有の性質として、評価額が日々変動する点も考慮するべきです。遺産相続する相続人それぞれが任意のタイミングで売却するとしても、タイミング次第で売却益が変動することになります。

遺産分割や税金の計算をシンプルなものとするためにも、相続人のうち一名が代表で遺産相続の株式をすべて売却し、現金化してからそれぞれに分配するという方法も検討できるでしょう。

代表する相続人が自分名義の証券口座を持っていなければなりませんが、その相続人の証券口座へすべての株式を移管して売却してしまい、その売却益を分割するなら、遺産相続の相続人ごとに取得金額のバラつきが出ることもなく、公平な分割ができるでしょう。

 

まとめ

独特な性質の財産である株式ですが、今後は遺産相続で相続される機会がますます増えていくでしょう。最も簡単な方法は、代表者が株式を売却して遺産相続する相続人全員で分割することかもしれません。

株式のまま保有することを検討する場合は、現金または物納で支払うことになる相続税のことも考慮して決定しましょう。

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