遺産相続・遺産分割 2018.03.10

遺産相続できる権利者の範囲

遺産相続は、原則として被相続人の家族が行います。しかし家族の中でも、遺産相続の権利者になれる範囲とその優先順位は、法律で決められています。

あらかじめ遺言で指定されていない場合には、法律に従った範囲と順位で遺産相続が行われます。この記事では、遺産相続で権利者になれる人の範囲とその順位について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

遺産相続できる権利者とは

遺産相続の権利者が誰なのかについては、民法で定められています。遺産相続の権利者のことを、法律で決まっている相続人という意味で「法定相続人」とも呼びます。

遺産相続できる権利者は2つに分類されます。配偶者相続人と、血族相続人です。配偶者相続人とは、被相続人の夫もしくは妻のことです。

遺産相続では、被相続人の配偶者はどんな場合でも必ず遺産相続の権利者になります。血族相続人がいる場合はその人と一緒に遺産相続を行い、血族相続人がいない場合は一人ですべての遺産相続を行います。

血族相続人とは、被相続人の直系卑属である子ども、および直系尊属である父母、被相続人の兄弟姉妹のことです。この血族相続人には、遺産相続の権利者となる上での順位が定められています。

 

遺産相続できる権利者の範囲と順位

遺産相続の権利者である血族相続人の範囲と、その順位をご紹介しましょう。

第一順位:子ども(およびその直系卑属)

被相続人の子どもは、遺産相続の第一順位の権利者です。

子どもであれば、養子縁組を結んでいる養子、他の家に普通養子として出した実子や、まだ出生していない胎児、非嫡出子だが認知している子どもなどを含め、ほぼすべての子どもが遺産相続の権利者となれます。

被相続人の子どもがすでに死亡しており、その子どもの子ども(被相続人の孫)がいる場合は、孫が代わりに遺産相続の権利者となります。

第二順位:直系尊属

第一順位の子どもがいない場合は、被相続人の父母などの直系尊属が遺産相続の権利者となります。

遺産相続の権利は、被相続人と世代が近い順に移っていきます。まず権利者となるのは父母、もし父母がいないなら祖父母、祖父母もいないなら曾祖父母といった順番でさかのぼります。

第三順位:兄弟姉妹

第一順位の権利者および第二順位の権利者もいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が遺産相続の権利者となります。

もし兄弟姉妹がすでに死亡しているなら、その子ども(被相続人の甥・姪)が代わりに遺産相続の権利者となります。

遺産相続では、順位の異なる権利者同士が同時に遺産相続の権利者になることはありません。つまり第二順位の直系尊属は、第一順位の直系卑属がいない場合に限って遺産相続の権利者となります。

第三順位の兄弟姉妹であれば、第一順位および第二順位の権利者が両方ともいない場合に限り、遺産相続の権利者となります。

 

遺産相続の権利者となるには、法的な親族であることが必須条件

遺産相続の権利者となるには、正式な法的手続きによって被相続人との親族関係を持っていることが必要不可欠です。例えば、長年一緒に暮らしているとしても婚姻届を出していない内縁の配偶者では、遺産相続の権利者にはなれません。

子どもについても、被相続人を父に持つ非嫡出子の場合は、被相続人に認知されていない限りは遺産相続の権利者となることはできません。ただし被相続人を母に持つ子どもは、たとえ非嫡出子であっても遺産相続の権利者となります。

遺産相続においては胎児もすでに生まれたものと見なされるため、一人前の相続権を持っていますが、もし死産で生まれてしまうと、初めからいなかったものとされてしまいます。

ただし胎児の場合、生まれてからほんの少しの時間でも生存していた場合には、遺産相続の権利者となることができます。

さらに、被相続人の実子ではあるが他の家へ「特別養子」として出した子どもも、遺産相続の権利者とはなれません。

特別養子縁組では、実の親と子どもの法的な親子関係も断ち切ることになるため、特別養子となった子どもは、実の親の遺産相続において遺産相続の権利者になることはできません。

ただし普通養子縁組であれば親子関係は存続しているため、普通養子として出した子どもは遺産相続の権利者になることができます。

 

まとめ

民法で決められている順位と範囲に従って、遺産相続の権利者は決まります。ただし、法律上の家族であることが前提となりますので、内縁関係では相続の権利者にはなりません。

また遺言書などで指定されている場合には、ご紹介した順位を度外視して遺産相続が行われる場合もあります。

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