遺産相続・遺産分割 2018.03.26

遺産相続で親が子に財産を渡したくない場合どんな方法がある?

遺産相続において、親の財産を子が相続するケースは多いと思います。しかし、様々な事情から、子に財産を相続させたくないという親もいるのではないでしょうか?ここでは、親が子に遺産相続させたくない場合に、どのような方法があるのかを説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

遺産相続では親から子へ財産が移転する

・親が亡くなれば子は必ず相続人になる

人が亡くなって誰が相続人になるかは、法定相続人として、民法に定められています。民法では、配偶者は必ず相続人となるとされており、配偶者以外では、子、直系尊属(父母など)、兄弟姉妹の順番で相続人になります。亡くなった人に子がいれば、子は第1順位の相続人ですから、必ず相続人になります。

・親が亡くなったときに子が相続できる財産の割合

民法では、相続人が相続できる財産の割合も、法定相続分として規定されています。遺産相続で子が親の相続人になるケースでは、配偶者と一緒に相続人になるケースと、子だけが相続人になるケースがあります。

配偶者と子が相続人になるケースでは、子の相続分は2分の1となり、2分の1を子の人数で割って均等に分けます。子だけが相続人になるケースでは、すべての遺産を子の人数で割って均等に分けることになります。

・子には遺留分がある

民法では、遺留分についても規定されています。遺留分とは、相続人が必ず相続できる財産の割合です。相続では遺言があれば遺言が優先しますが、遺留分については遺言の内容にかかわらず相続できることになります。兄弟姉妹以外の相続人には遺留分が認められており、子にも遺留分があります。

子の遺留分は、配偶者と子が相続人になるケースでは4分の1、子だけが相続人になるケースでは2分の1となっており、子が複数いる場合には子の人数で割って均等に分けます。

遺言により、子が親の財産を相続できなくなった場合には、子は遺留分減殺請求を行って、自己の遺留分を取り戻すことができます。

・親がどんな遺言を書いても子は必ず相続できる

将来、自分が亡くなって遺産相続が発生したとき、子には財産を渡したくないという親もいると思います。また、長男だけに相続させて、次男には相続させたくないというようなケースもあるかもしれません。

遺産相続では、事前に何の対策もしていなければ、すべての子が平等に親の財産を相続することになります。特定の子に相続させない旨の遺言を書いても、子には遺留分がありますから、それだけでは十分な対策にはなりません。

 

子に遺留分放棄させる方法がある

・遺留分放棄は生前でもできる

自分が亡くなったときに財産を相続させたくない子がいる場合、遺言を書いただけでは十分ではありません。子が遺留分減殺請求をすれば、遺留分を取得できるからです。子に相続させないためには、遺言を書いたうえで、子に遺留分を放棄してもらう方法があります。

遺留分は、被相続人の生前であっても、家庭裁判所の許可を受けて放棄することができます。子に遺留分放棄をしてもらえば、遺留分減殺請求ができませんから、親は遺言により希望どおりの財産の承継を実現できます。

・遺留分放棄が認められるには見返りが必要

遺留分を放棄する場合には、本人が自分の意思で家庭裁判所に申し立てる必要があります。子が親の遺産相続における遺留分を放棄する場合には、子自身が納得したうえで、申し立ての手続きを行わなければなりません。親が手続きするわけにはいきませんから、子に理由を説明して納得してもらう必要があります。

なお、遺留分放棄を申し立てても、必ず許可されるわけではありません。子が親の遺産相続に関して遺留分放棄をしようとする場合、親から相応の見返りを受けていることが条件になります。

たとえば、子に遺留分に相当する額の生前贈与を行うなどがなければ、子の遺留分放棄は裁判所が許可してくれません。何の見返りもなく、親が一方的に子の遺留分を奪うようなことは許されないのです。

 

相続廃除という方法もある

・相続廃除とは

相続廃除は、被相続人自らが生前に家庭裁判所に申し立てるか、もしくは遺言に書いて指示することで、特定の相続人の相続権を剥奪する手続きになります。

推定相続人(将来の相続人)が被相続人を虐待したり、重大な侮辱を加えたりした場合、その他相続人に対して著しい非行を行った場合には、被相続人は推定相続人の廃除を行うことができます。

・相続廃除が認められるケースは少ない

子に遺産相続させたくない親は、子を廃除して相続権を剥奪する方法もあります。しかし、相続廃除は簡単ではなく、家庭裁判所に申し立てても、実際に認められるケースは少なくなっています。

子に遺産相続させたくない場合、相続廃除はあまり現実的でないので、遺言と遺留分放棄を組み合わせるなど、他の方法を検討した方がよいでしょう。

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