遺産相続・遺産分割 2018.04.11

親子で円満に遺産相続をするための事前準備とは

仲の良かった家族や親子が、親子間の遺産相続をきっかけに険悪な関係になってしまうことがあります。

普通は親が被相続人、子どもが相続人となりますが、親子で遺産相続をする時のための準備を何もしていないと、配偶者と子どもたちが遺産相続をする段階になって困った事態になり、大きな争いに発展しやすくなります。

ここでは、親子で円満に遺産相続をするために必要な事前準備2つについて解説します。

記事ライター:棚田行政書士

遺言書を作成し、親子で保管場所を確認しておく

親子が円満に遺産相続を行うためには、遺言書が必要不可欠です。

しかし遺言書は、遺言者の生前にその所在を明かしてしまうと遺産相続で相続人となる人に偽造や破棄されるリスクを持つため、遺産相続までは隠され、遺産相続開始後に遺族が発見することが多くなります。

そのため、家族が見つけられないような場所に隠してしまって遺産相続開始後にも見つからなかったり、荷物の整理をされた時に間違って処分されてしまったりする遺言書もあります。それでは遺言書を作成した意味がありませんし、遺産相続を機に親子の関係性をゆがめる可能性も出てきます。

ですから、まだ元気でしっかりとした判断能力があるうちに、親子の遺産相続で法的に有効となる遺言書を作成しておきその所在を親子で確認しておくことは、親子で円満に遺産相続をするためにどうしても必要です。

遺言書を作成する場合は、自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかを選択することになるでしょう。

家族に所在を知らせても大丈夫、と信頼できるのであれば、自筆証書遺言を作成して自宅に保管することができます。自宅に保管することは避けた方が良さそうな場合は、信頼できる友人や税理士、弁護士などの第三者に預かってもらうのもひとつの手です。

自筆証書遺言は遺言者がひとりで作成できるため、些細なミスによって法的には無効な遺言者ができあがってしまうことも多々あります。自筆証書遺言を作成する場合は法律の専門家に相談しつつ、法的に有効で正しい方式のものを作成するようにしましょう。

親子間の遺産相続で、相続させる遺産額が多い場合はまとまった費用が必要ですが、お金の余裕がある場合は公正証書遺言がお勧めです。

公証人が遺言書の内容を確認して、法的に有効なものとなるよう作成してくれますので、ちょっとしたミスで遺言書が無効になるリスクはありません。

遺言書の存在は公証人や自分が選んだ証人が証言してくれるので、遺産相続後に遺言書の有無が不明という事態も起きません。何より、遺言書は公証役場で保管されますから、悪意のある人による遺言書の偽造・破棄のリスクがないというメリットがあります。

 

親子間の遺産相続の相続税対策をしておく

親子が遺産相続の当事者となる際、「もっと早くから対策しておいてくれたらな……」と感じることが多いのは、相続税対策かもしれません。

「相続税のことで気をもむほどの財産はないから大丈夫だろう」

という思い込みによって親子間の遺産相続のための相続税対策を何もしない親子は多いですが、もしも相続税が発生したなら、相続税を払うのは子どもたちや配偶者です。

親子で円満に遺産相続をするためには、相続税対策も絶対に必要です。相続税対策をする場合はまず、自分たち親子の遺産相続には相続税がかかるかを知らなければなりません。

そのためには、親子間の遺産相続で相続される財産をすべて把握し、評価額を割り出しておくことが必要です。

調査した遺産総額が次の式で算出される金額よりも多いなら、相続税対策を行いましょう。

3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

相続人が2人なら4200万円以下、3人なら4800万円以下までの遺産相続であれば、相続税はかかりません。もしこの金額よりも遺産額が多いなら、親子での生前贈与などを進めておくことで相続税対策ができます。

親子間の贈与なら非課税というわけではありませんが、贈与を受け取る人1人あたり年間で110万円までなら贈与税をかけずに贈与できます。贈与する相手の続柄によっては、もっと高額の贈与を非課税で行える制度もあります。

遺産相続開始から3年以内のものは相続財産の一部と見なされてしまう贈与もあるので、親子間で贈与をするならとにかく早めにしておくことができるでしょう。親子で早めに贈与することで子どもの生活を実際的に支えることもでき、子どもにも有益です。

 

まとめ

親子が円満な遺産相続をするためには、法的に有効な遺言書を作成し、親子間贈与などの相続税対策をしておきましょう。遺産相続はいつスタートするか分からないので、思い立ったら早めに始めると良いでしょう。

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