遺産相続・遺産分割 2020.06.02

遺産相続で絶対に言ってはいけない禁句とは?

遺産相続がこじれてトラブルに発展すると、調停や審判といった紛争解決手段を取らなければならないので、できるだけ回避できるよう気をつけることが大切です。
そこで本記事では、遺産相続で絶対に言ってはいけない禁句についてご紹介したいと思います。

記事ライター:棚田行政書士

遺産相続は言葉が大切

遺産相続をトラブルに発展させないためには、発する言葉にも注意をする必要があります。

例えば相続人が配偶者と子供という組み合わせであれば、そこまで気を使う必要はないかもしれませんが、配偶者と兄弟姉妹や、配偶者と甥姪といった形で血縁関係が遠いものと遺産分割をする場合は注意をしないと思わぬ事態を招いてしまうんです。

上から目線に聞こえる言葉とは

配偶者と兄弟姉妹が相続人だった事例で、配偶者が発した一言で一気に関係が悪化してトラブルになったケースがあります。

その言葉とは「あげる」です。

相続人である配偶者にありがちなのが、他の相続人に対して遺産をあげるという表現を使って怒らせることです。

配偶者の意識として、夫の遺産を他の相続人にあげるという風に無意識のうちに考える傾向があり、その結果「遺産をあげる」という表現を使ってしまうことがあります。

ただ、この言葉を言われた相続人からすると、そもそも自分が相続人としての地位において当然にもらえるもののはずなのに、配偶者から上から目線であげるという表現をされるとカチンときてしまうのです。

この他にも、「棚から牡丹餅」といった言葉も相手を不快にさせる可能性があるので、絶対に使わないようにしましょう。

遺産相続はあげるものではない

遺産相続はあげるものではなく、被相続人から相続するものなので、相続人間であげるという言葉は適切ではありません。遺産分割協議で話し合う時には、相手と対等な目線で話すことを心がけるとトラブル回避につながります。

 

相手を怒らせる原因

遺産分割が紛争化する原因の一つが、遺産隠しです。

ここでいう遺産隠しとは、相続税を脱税するための遺産隠しではなく、他の相続人に対して相続財産の開示を拒むという意味での遺産隠しのことです。

例えば、相続財産を管理している相続人から「財産は預金の1,000万円だけだから」と口頭で一言言われただけでは、なんだか怪しいと思いますよね。

遺産相続で注意しなければならないのは、相手に不信感を抱かせないことです。

仮に本当に1,000万円しかないとしても、きちんと銀行から取得した残高証明書を添付してみせるといった丁寧な対応をしないと、知らず知らずのうちに他の相続人に対して不満が積もってしまい、それたちょっとしたことで爆発して紛争化してしまいます。

遺産相続で紛争化を回避するためには、必ず全ての財産の情報を他の相続人にも開示して話し合うことがとても重要です。

隠してもバレる

そうはいっても全部開示したら文句を言われそうだからやっぱり隠したい、という方、残念ながら結局バレます。というのも、相続税が課税されるケースでは一つの相続税申告書に全員の相続人に捺印をもらわなければならないからです。

相続税申告書を見れば財産の全体像はバレてしまうので、仮に円満相続で解決していたとしても、そこでバレて紛争化してしまう可能性も考えられます。

相続人相手に遺産を隠すことはできないので、諦めて全てを正直に開示した上で遺産分割協議をすることをおすすめします。

※別々に相続税申告することもできますが、内容が相違するリスクが高いのであまりおすすめできません。

 

遺産分割を郵送でやる場合の注意点

遺産分割協議というと全員で会って話し合うイメージがあるかもしれませんが、実際は遠方に住んでいるケースも多いのでメールや郵送などで協議をすることがよくあります。

最近ではSNSを使った事例もありますね。

そういうケースでは、相手に送る文面については対面の場合の言葉使い以上に細心の注意が必要になります。文字は相手にうまくニュアンスが伝わらないことがあるので、本人の意図とは違った意図で受け取られてトラブルになることもあるんです。

話し合う姿勢を感じさせることが重要

文章に書く場合、できるだけ簡単に済ませようと考える人が多いので、

「この書類にサインをして返送してください」

といった感じで書いてしまう人も時々います。

ただ、これでは相手の意見を一切聞き入れないという姿勢にとられる可能性があります。

できれば「このような分割案でご提案いたしますので、貴殿のご意向を教えていただけますでしょうか」といった感じで、できるだけ相手の意向を汲む姿勢であることをアピールしたほうが、意外とそのままの内容でまとまりやすいのです。

 

まとめ

遺産相続は紛争化すると解決までに長い時間がかかるので、相手を怒らせないように細心の注意を払って遺産分割協議をする必要があります。特に血縁関係が遠いものとの遺産分割は対立が激化することが多々ありますので、十分注意しましょう。

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