相続人・遺留分 2017.12.10

共同相続人って何?法定相続人と何が違う?

相続に関連する知識や情報をインターネットで検索していると、「共同相続人」という言葉が度々出てくることと思います。共同相続人は、法定相続人とは意味が違うのでしょうか?
また、共同とは何が共同なのでしょうか?

そこで今回は、遺産相続における共同相続人について、詳しくまとめてみました。

記事ライター:棚田行政書士

共同相続人とは?

遺産相続が発生した際に、相続人が複数人いると、遺産分割協議を行って誰が何を相続するのか決めなければなりません。ただ、遺産分割協議は相続が開始したからといって、すぐにできるわけではありません。

実際は、人が死亡すると通夜や告別式などのいわゆる葬儀に追われることとなるため、遺産分割の話に移れるのは早くても四十九日の法要が終わった頃でしょう。そうなると気になるのが、遺産分割が確定するまでの相続財産の所有者です。

例えば、被相続人が大家さんだった場合、本人が死亡したとしても賃借人はそのまま住み続けています。万が一エアコンが壊れたりすれば、誰かが修理や交換を手配しなければなりません。

そこで法律では、遺産分割協議が確定するまでの間については、相続人全員で共同所有すると規定されています。この共同所有する相続人のことを共同相続人と呼んでいるのです。

共同相続人は本人が死亡した後についても、引き続き大家さんとしての地位に基づき、万が一設備が壊れた場合は、速やかに修繕等の手配をしなければなりません。

 

法定相続人と共同相続人は違うの?

では、法定相続人と共同相続人は別なのでしょうか。結論から言うと、概念の違いで基本的には同じ人を指しています。

法定相続人とは、いわゆる民法で決められている相続人のことです。人が死亡すると同時に法定相続人となり、そして法定相続人は共同相続人となります。よってこの時点で法定相続人と共同相続人はイコールです。

その後、遺産分割協議が行われて遺産が分割されると、相続財産は共同所有ではなくなるため、共同相続人という概念はなくなります。ただ、法定相続人については、相続放棄をしなければ法定相続人としての地位は残ります。

要するに、共同相続人とは、相続が開始してから遺産分割協議が合意に達するまでの法定相続人のことを別の言葉で表現しているということなのです。

 

共同相続人は辞退できるのか

相続人同士が疎遠だったり、もともと仲が悪かったりする場合は、遺産分割協議が難航する可能性があります。

遺産分割協議は揉めると数年〜数十年がかりになることも多いため、これに巻き込まれたくないと思う共同相続人もいるでしょう。共同相続人のままだと、万が一共同所有している財産に何らかの問題があった場合に、管理責任などを問われる恐れもあります。

では、共同相続人は辞退できるのでしょうか。先ほどのお話した通り、法定相続人が共同相続人であるため、共同相続人を辞退したいのであれば、法定相続人ではなくなる相続放棄の手続きをとる必要があります。

相続放棄をすることで、法定相続人ではなかったことになるため、自動的に共同相続人でもなくなります。すべての相続財産の相続権を失うことになりますが、共同相続人であることが面倒になるようであれば、相続放棄の手続きを家庭裁判所でとることをおすすめします。

 

共同相続人の法的権利と実務上の取り扱いの違いについて

共同相続人については、遺産分割協議が確定するまでの間については、法定相続分の割合に応じた持分があり、それに応じた権利があります。

例えば、相続財産に家賃10万円の区分マンションがある場合で、配偶者と子供一人が法定相続人だとします。この場合、それぞれの法定相続分は二分の一ずつのため、それぞれ5万円を賃借人から受け取る権利があります。

但し、実務上、遺産分割協議が確定するまでの間、二箇所に分けて家賃を振り込ませるのはあまりにも賃借人にとって迷惑な話です。また、管理会社に家賃集金を委託している場合は、遺産分割が終わるまで送金を留保されたり、共同相続人全員が署名捺印した合意書および印鑑証明書の提出を求められたりする場合があります。

遺産分割協議が終わる前に個別の取り扱いをすると、その財産の管理委託を受けている業者も遺産分割のトラブルに巻き込まれる恐れがあるため、実務上は上記のような取り扱いがされることが多いようです。

遺産分割協議が終わるまでの間、共同相続人が財産を共有することになりますが、できればこの期間は短いほうが相続の実務上はスムーズです。

遺産分割協議が難航して、いつまでも共同相続人の状態のままだと、財産を処分しなければならない場合に、共同相続人全員の同意が必要になってしまい、とても手続きが大変です。

よって、遺産分割協議が難航しそうな場合については、できる限り早めに弁護士に相談して間に入ってもらうことをおすすめします。

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