相続人・遺留分 2018.04.21

相続人はどうやって確認すればいいの?

遺産相続が始まると、遺言書の存在を調査するとともに、相続人の範囲の確認も迅速に行わなければなりません。相続人が誰なのかが分かっていなければ、遺産分割ができないためです。
被相続人の家族や親族の関係くらい、家族でもある相続人は当然把握していると考えてしまうものですが、遺産相続の相続人は調査して確認することが必要です。ここでは、相続人を確認する必要があるのはなぜか、相続人を確認する方法について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続人を確認する必要性とは

遺産相続の遺産分割協議には、相続人が全員参加して話し合うことが必要です。相続人が一人でも欠けていると遺産分割協議は成立しませんので、相続人全員が確実に遺産分割協議に参加するためには、相続人が誰かを確認する必要があります。

家族でもある相続人からすれば、被相続人の家族関係は当然把握しているでしょう。それでもすべてのケースで相続人の確認が必要とされています。

なぜでしょうか?

遺産相続の相続人には、養子縁組を結んでいる養子も数えられます。被相続人が家族には内緒で養子縁組を結んでいる可能性もあり、その場合は家庭外に相続人がいることになります。以前にも結婚しており、その時にもうけた子どもがいる場合にも同じです。

婚外子を認知している場合(いわゆる隠し子)には、その子どもも相続人のひとりとなります。「うちに限ってそれはないだろう」という思い込みは禁物です。必ず相続人調査を行い、相続人を確認しましょう。

これらの事実については、生前は家族に秘密にしているケースも多々あるため、先入観を除いて必ず相続人の確認をしましょう。相続人を確認するためには、除籍や改製原戸籍を含めて戸籍の調査を行います。

 

死亡から出生までの戸籍を追跡して確認する

相続人を確認するためには、戸籍の追跡調査を行います。まずは、被相続人の最後の本籍地で戸籍や除籍を取得することからスタートします。戸籍には従前の戸籍や除籍、または改製原戸籍の情報があるはずですので、それに従って戸籍を取得します。

作業を繰り返していくと、戸籍はだんだんと出生時のものに近づいていくはずです。被相続人の出生の記載がある戸籍が出てくるまで追跡したら、取得した戸籍を隅から隅まで確認し、相続人となり得る人が他にいるかを確認します。

確かに自分たちだけであれば一安心ですし、もし知らない相続人が確認されたなら、その人と速やかに連絡を取らなければなりません。

戸籍の確認がすべて終了したら、相続人の関係性を図にして表した「相続関係説明図」を作成しておきましょう。相続人の関係が一目で確認しやすく、情報の整理にもなります。

相続関係説明図は、財産の名義変更手続きや申立てなどで提出を求められる場合があります。

 

除籍、改製原戸籍を確認する理由

戸籍の単位は、夫婦と未婚の子どもというのが基本の編製です。戸籍に載っている人が結婚したり死亡したりすると、名前の欄には大きな×印がつけられ、戸籍から抹消されます。

このことを「除籍」と呼びます。

戸籍から構成員全員が除籍されることもありますし、本籍地を移転したりすることもあるでしょう。そうなるとその戸籍の呼び名は除籍に変わり、その写しは「除籍謄本」と呼ばれることになります。

改製原戸籍謄本とは、戸籍の様式が変更される以前の形式の戸籍謄本のことです。戸籍の様式は何度か大規模に変更がなされています。

家制度があった戦前の戸籍や、昭和32年の昭和改製原戸籍、平成19年のコンピューター化以前のものなどが、改製原戸籍謄本に当たります。

このように、結婚や転籍、改製などによって戸籍はどんどん新しいものに変わっていき、その度にすでに除籍されている構成員の記載は省かれていきます。

そのため、除籍や改製原戸籍をもれなく追跡して確認しなければ、被相続人が生涯でもうけた家族や子どもを正確に確認することができないのです。大変面倒ではありますが、必ず調査して確認しましょう。

先ほども説明した通り、相続人確認のための戸籍や除籍の取得は被相続人の最後の本籍地からスタートします。

被相続人の本籍地が遠い場合には郵送でも請求することができますが、謄本を取得できる人は原則として、戸籍の構成員か直系の親族だけです。それ以外の人が請求する場合には委任状が必要となります。委任状については、市区町村に確認しましょう。

 

まとめ

戸籍を追跡して相続人を確認する作業は大変ですが、どんな場合にも必ず行わなければなりません。

相続人確認はスピーディに行わなければならないことですが、戸籍の取り寄せと確認には大変な手間がかかります。手続きを早く済ませるためにも、忙しい場合は専門家に任せることも考えましょう。

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