土地・不動産 2018.09.12

土地の相続を巡って裁判になりやすいケースとは?

「土地を持っていれば安泰」と考えられていた時代は終わり、相続において土地が負の遺産となることも多くなっています。日本国内では、都心などのごく一部の地域を除いて、地価は横ばいか、あるいは低下しています。

相続人が税金の負担に苦しみ、相続した土地を二束三文で手放すことも珍しくありません。土地の相続に関しては、時に裁判になるほど揉めてしまうケースもあります。そこで今回は、争いごとの対策として参考になるよう、裁判になりやすいケースをご紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

土地しか遺産がない場合は、裁判になりやすい

相続人が複数いるのに遺産となるものは土地ひとつだけという場合、裁判にもつれこむ可能性があります。現金や株式と異なり、土地は相続人全員に均等に分けることが極めて難しいため、当然揉めることになるでしょう。

裁判に発展させないためには、分筆登記を行って土地を線引きし、人数分に分割することができます。土地の分筆登記を一から十まで素人が行うのは不可能なので、測量士に依頼するための費用を相続人全員で協力して用意する必要もあります。

裁判にしないためのもう一つの手段は、土地を速やかに売却し、得た現金を相続人のうちで分割するという方法です。相続人の中に、他の相続人全員が信頼を置く人物がいるなら、ひとまずは土地の名義をその人のものにして売却を任せることで、裁判を回避できます。

しかし、お金が関係するためにお互い疑心暗鬼になっているような状況なら、土地を相続人全員の共有名義にしてから売却する方が良いでしょう。

 

土地の利用価値が低い場合は、裁判になりやすい

相続できる土地があるのに誰も相続したがらない場合も、裁判になることがあります。

日本においても、バブル景気の頃までは「土地は値下がりしない」あるいは「ずっと値上がりを続けていく」と本気で考えられていたこともあり、積極的に資産を土地に換える人が多くいました。

バブル崩壊後、着々と増税が進められ、相続税の納税義務者も大幅に増えた現在では、「タダでも要らない」とプロに言わせるような土地が至る所にひしめいています。

自分が使用する予定もない、他人に貸しても良いが借り手の見込みがない、立地条件や形状が悪く、買い手も見つからないといった利用価値の低い土地を相続してしまい、困っている相続人は大勢います。

それでも、土地を所有している限り、固定資産税や都市計画税などの税金が毎年徴収されます。

このような、誰も相続したがらない「負動産」状態の土地があると、相続人同士が互いに土地を押し付け合い、挙句の果てに裁判になることも考えられます。

相続は、特定の遺産だけを放棄するということが不可能なため、誰かが相続を了承しない限り、裁判になることは避けられません。

裁判に巻き込まれないための究極の手段としては、相続放棄することで土地の相続を免れるという方法があります。ただし、この場合、一切の遺産を相続できなくなるため、安易には決定できません。

 

土地が収益物件の場合は、裁判になりやすい

タダでも引き取り手がいない土地がある一方で、高額の収益を生み続ける土地もあります。好立地に建つ高層マンションや、オフィスビルなどの土地がその良い例です。

相続財産に含まれている土地が所有者にとってメリットの大きい土地であれば、相続人同士がそれを取り合って裁判沙汰になることが考えられます。

このようなケースのもとで、裁判に発展させないために相続人にできることは少ないでしょう。土地の相続をあきらめれば裁判に関わらずに済みますが、土地が生む収益が大きければ大きいほど、裁判をしてでも欲しいと思ってしまうかもしれません。

土地を相続人全員の共有とし、収益を各自に分割するという方法もありますが、不動産を共有名義にすることにはデメリットが非常に多いため、裁判にしないための最終手段としたいところです。

 

遺産を独占する相続人がいる場合は、裁判になりやすい

土地に限ったことではありませんが、遺産すべてを自分のものにしようとする相続人がいれば、裁判になっても無理はありません。

家督という常識はもはや遠い昔のものですが、相続人が高齢だと、いまだに「長男だから遺産はすべてもらう」と主張することもあります。

家督相続は昭和22年に廃止されており、現在の相続が影響を受けることはありません。例外として、相続する土地の名義人が何代も前の先祖であり、死亡したのが明治31年7月16日から昭和22年5月2日の間であれば、家督相続に基づいた手続きが必要です。

そうでないのなら、相続分を基準として公平に遺産を分けるという現代の法に基づいて相続をする必要があります。遺産の独占は遺留分の侵害であること、遺留分さえ渡さないというなら裁判にするしか手が無いことを、相手に分かってもらうしかありません。

 

まとめ

相続する土地の利用価値が高くても低くても、裁判になるほど揉めてしまうことがあります。一人で闘う裁判は非効率な上、極めて不利になりますので、やむを得ず裁判になってしまった場合は、相続問題を得意とする弁護士を伴って闘いましょう。

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