遺言 2020.04.15

遺言書はいくつある?遺言書の3つの種類を徹底解説

相続対策として注目されることが多い遺言書ですが、遺言書には3つの種類があってそれぞれ作成方法が異なることをご存じでしょうか。

しかも今回の民法改正で、遺言書の種類別の保管方法にも変更がありますのでそのあたりもチェックしておくと遺言書を作成する際の参考になると思います。

そこで今回は、遺言書の3種類の特徴や作成方法について詳しく解説します。

記事ライター:棚田行政書士

そもそも遺言書とは

遺産相続が開始すると、まず大きく2つの分かれ道にぶつかることになります。

ズバリ、遺言書がある相続とない相続という種類の分かれ道です。

亡くなられた方が遺言書を残していた場合については、原則としてその内容にしたがって資産を分割していくことになるので、相続人全員で集まって遺産分割協議をする必要はありません。

遺言書があればすぐに執行手続きに移れることから、相続手続きがスムーズに進むとともに、遺産分割協議における相続人間のトラブルの発生を防止することができます。

遺言書の内容は原則として覆すことができませんが、次の2つのケースについては一部例外があります。

・遺留分を侵害している遺言書の場合

一部の相続人には民法で保証されている遺留分という最低限の取り分があり、遺言書でその取り分を侵害したとしても本人が遺留分侵害額請求をすれば、遺留分相当額の金銭を取り戻すことができます。

・相続人全員が合意する

遺言執行者が指定されておらず、相続人の全員が遺言書とは違う分け方を希望している場合は、遺言書があったとしても遺産分割協議を行って違う分け方をすることも可能です。

ただし、1人でも判定する相続人がいる場合については、遺言書の内容通りに執行しなければなりません。

 

遺言書の種類1:自筆証書遺言

1番オーソドックスな遺言書の種類で、自分自身の直筆で記載して作成する遺言書です。

次の様式に従っていれば、自分1人で今すぐ作成することもできます。

・本人が直筆で作成する(財産目録はパソコンなどでも可能)

・作成をした日付を記載する

・本人が署名捺印する

最低限この3つをクリアしていれば、遺言書としての様式は満たせます

 

自筆証書遺言の保管の種類

自筆証書遺言は他の種類の遺言書と比較すると手軽に作成できることが大きなメリットだったので、利用する方が比較的多くいました。

ところが、他の種類に比べて手頃であるがゆえに、遺言書を失くしたり、隠蔽されたり、改ざんされたりといったトラブルが頻繁に発生していたことが問題にもなっていたのです。

法改正によって、自筆証書遺言の保管方法は自分で保管する以外に法務局で保管してもらうという制度ができました。

自筆証書遺言を法務局に持ち込んで一定の手数料を支払うことで、他の種類である公正証書遺言と同じように法務局で保管をしてくれます。

従来までは、弁護士に保管を依頼するケースがよくありましたが、弁護士も人ですから亡くなって廃業することもあり、せっかく預けた遺言書が見つからないというトラブルがありました。

法務局で保管してもらえば、紛失、改ざん、隠蔽といったリスクはなくなるので非常におすすめです。

ちなみに、公正証書遺言唯一のメリットだった検認手続きの免除についても、自筆証書遺言の保管制度を利用していれば他の種類の公正証書遺言と同様に免除されることになりました。

 

遺言書の種類2:公証役場で作成する公正証書遺言

公証役場で作成する遺言書の種類で、3つの種類の中で最も確実な遺言書と言われています。

公証役場には裁判官のOBのような方が公証人として常駐しており、自分の希望を伝えることで代わりに正しい書き方で遺言書を書いてくれるのです。(事前に打ち合わせが必要な場合もあります)

作成後も法務局で保管してもらえるため、高額な遺産や複数の種類の遺産がある場合の遺言書を作成する際には、できるだけ公正証書遺言で作成することをおすすめします。

 

遺言書の種類3:お墨付きをもらう秘密証書遺言

利用する人が少ないといわれているのが秘密証書遺言です。

公証役場で遺言書を作成する場合、遺言書の内容を公証人や立会人に聞かれるというデメリットがあります。

秘密証書遺言を利用すれば、自分自身で遺言書を作成して封筒に入れて封印をし、それを公証役場に持ち込むことでその遺言書にお墨付きをもらうことができるのです。

ただし、開封して中身を確認するわけではないので、将来万が一開封して日付などが抜けていると無効になってしまうリスクがこの遺言書の種類にはあります。

 

まとめ

自筆証書遺言の保管制度が始まることで、今後は他の種類の遺言書を作成する人が減ってくると予想されます。

自筆証書遺言を作成する場合は、弁護士などに相談して遺留分のルールなどを確認しておくことがよりトラブル防止につながるでしょう。

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