遺言 2017.10.28

司法書士に遺言書作成のサポートを依頼することの意義とは?

近年、遺言書を書く方が増え続けています。自身亡き後の相続問題対策として、遺言書は最適なツールだといえます。
(参照:日本公証人連合会http://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/n20170301.html)

遺言書を書くにあたり、気を付けなければならない点が多数あります。知識不足の方が自身で調べて遺言書を作成してしまったために、遺言書の書き方を誤り、せっかく作成した遺言書が無効になってしまうことがあります。そのような事態を発生させないように、遺言書作成のサポートをしてくれるのが、司法書士です。

今回の記事では、遺言書の基礎的な知識と、遺言書を作成するプロである司法書士に関する知識をお伝えします。

記事ライター:朝陽行政書士事務所

遺言書の種類と作成方法

遺言書には、3つの種類があります。それぞれの概要をお伝えいたしますので、司法書士への遺言書作成のサポートを検討している方は参考にしてみてください。

①    自筆証書遺言

ご自身で選んだ用紙に、遺言書に残したい遺言と、氏名と日付を必ず自筆で書き、認印(実印がお勧め)を捺印します。その後封筒に入れて、遺言書と氏名を書き、封をします。封をした封筒には先に捺印した印鑑を使い、封印します。相続人である遺族に預けるか、信頼できる方に預けておき、ご自身の死後に手続きをします。

自筆証書遺言作成は、司法書士に中身をチェックしていただくことをお勧めします。自分では間違っていないと思っていても、遺言書のプロである司法書士に見てもらうと意外と間違っているものです。司法書士には守秘義務があり、遺言書の内容は外部に漏れません。できれば遺言書記入前に、経験豊富な司法書士に遺言書の内容に関するアドバイスも受けると、さらに安心でしょう。

相続発生時、遺言書は裁判所にて検認してもらわなければいけません。法務局や裁判所に関する業務は司法書士の得意とする分野です。相続発生時、遺族が困らないよう司法書士によく相談して、遺言書を預ける方と、遺言執行人(遺言書の内容通りに遺産を分配する人)に説明しておきましょう。

②    公正証書遺言書

公証役場を利用して作成する遺言書です。公正証書遺言書と呼ばれます。公正証書遺言書では、本人控え1通と、公証役場保管用一通、そして、電子記録として残されます。遺言執行人という方を選任しておけば、相続発生時に遺言書がみつからないといったトラブルも防ぐことができます。

公正証書遺言書の作成方法としましては、まず公証役場に予約をして面談し、必要な書類を聞き取り、市役所や法務局で書類を集めます。そして、証人になってくれる人を2名探します。何度か公証人と面談を行い、遺言内容が固まったら、公証人、証人2名、遺言書作成者の4人で最終的に公正証書遺言書を作成し、保管します。

公正証書遺言書では、公証人が1から作り方を教えてくれます。ですが、必要な書類の収集や、公証人との打ち合わせなどは大変な作業です。公正証書遺言書作成を司法書士に依頼すればそれらを全て司法書士が手伝ってくれます。

なお、証人2名と、遺言執行人に関して問題が発生することがあります。公正証書遺言書作成後、証人がうっかり公正証書遺言書の内容を第3者に漏らしてしまったとか、いざ相続発生時に、遺言執行人の実務能力が低く相続分配が進まないなどの問題も考えられます。

その点、司法書士に公正証書遺言書の作成を依頼すれば、そのような問題を心配することもありません。まず証人については司法書士、司法書士事務所の職員がその任にあたってくれます。遺言執行人に関しても司法書士は相続問題のプロですから、金融機関の手続きや、不動産の登記問題にも対応してもらえます。

③    秘密証書遺言書

秘密証書遺言書は、公正証書遺言書と同じく公証役場を使って、遺言書の存在のみを証明してもらう方法です。たとえ司法書士や公証人であっても遺言書の内容を知られたくないという方に最適な方法です。

秘密証書遺言書にはデメリットがあります。相続発生時に内容に関する検認を受ける必要がありますし、証人も2名必要です。秘密証書遺言書の作成方法を利用すると、内容のチェックを受けることができないため、内容に不備があっても対応できません。

そのため司法書士や公証人に、秘密証書遺言書を書くにあっての注意点を前もって確認しておくことが重要です。

 

司法書士

司法書士は司法書士法の規定の基づき、人から委託を受け、法務局や裁判所、検察庁などに書類提出を行います。また限られた範囲内において簡易裁判所における訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談を行います。司法書士に関する詳しい情報を調べるには司法書士連合会のホームページを参照するとよいでしょう。

http://www.shiho-shoshi.or.jp/

 

まとめ

遺言書の作成方法と、司法書士の役割についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。

相続トラブル発生予防の切り札として、相続人たちのことを一番よく知っている被相続人(遺産を残す方)が遺言書を書くことはとても良いことです。しかしながら、遺言書作成には被相続人だけでは手間がかかり、大変な作業となります。

司法書士に遺言書作成の中核部分を担ってもらい、税理士などにも相談して、相続税対策にも気を使いながら進めていきましょう。なお、税理士は司法書士から紹介してもらうこともできます。このように、司法書士の協力のもと、ご自分の思いをしっかり遺言書に残してください。

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