贈与・生前贈与 2017.10.02

生前贈与で税金を安くする方法とは?

平成27年に行われた税制改正により、基礎控除額の大幅な減額、税率の見直しなどといった、相続税に関する増税の方針が明確に打ち出され、より一層節税の重要さが叫ばれるようになりました。

節税するためには、「生前贈与」の制度を利用し、相続財産を減らすのが一番のポイントです。

そこで今回は、支払わなければならない税金を少しでも少なくするために重要な「生前贈与」やその特例について解説していきたいと思います。

記事ライター:棚田行政書士

生前贈与と税金について

贈与とは、人から人へと無償で財産を贈ることです。
そして「生前贈与」とは、財産を持つ人が存命中に、他者に財産を贈ることを言います。

生前贈与を行うと贈与税がかかりますが、これは、財産を受け取った人にかかる税金となります。相続税を節税するために生前贈与を行おうと考えている方も多いと思いますが、実は贈与税の税率は非常に高く、最高税率はなんと55%にもなります。

何も知識がないまま贈与を行ってしまうと、相続税を節税するつもりが、贈与税の方が高くつくことになってしまった、ということにもなりかねません。

しかし、贈与税には、減税や免税の特例があるため、これから説明するその特例を理解して賢く利用し、上手に節税していきましょう。

 

暦年贈与とは

生前贈与は、暦年(1月1日~12月31日まで)の間に受け取った金額のうち、110万円(基礎控除額)までは非課税となり、贈与税がかかりません。
これを利用し、毎年110万円以下の生前贈与を行うことを「暦年贈与」といいます。

例えば、父母や祖父母などの直系尊属から、20歳以上の子ども一人に対して毎年110万円ずつ10年間に渡って合計1110万円を生前贈与した場合、贈与税はかからず、申告の必要はありません。

ところが、1100万円を一度に生前贈与した場合は、207万円もの贈与税がかかってしまうことになるのです。

このようなことにならないよう、生前贈与をする場合は、一度に行うのではなく、早いうちから計画的に行い、暦年贈与をするのが望ましいでしょう。

生前贈与は、祖父母から孫へなど、相手が幼児であっても可能ですが、その場合、法定代理人である親が手続きを行います。
この時、後々「孫に名義を貸しただけ」と判断されることがないように、初回はあえて110万円以上の生前贈与を行い、贈与税を申告することで「贈与である」ということを明確にしておくのが良いでしょう。

そして、子どもが成長し、財産の管理が出来るようになった場合は、生前贈与された財産は必ず本人が管理するようにしましょう。

 

配偶者への自宅の贈与

配偶者に対して居住用の不動産を生前贈与した場合、特例として、基礎控除額の110万円にプラスして2000万円まで、つまり合計2110万円まで贈与税がかからないことになっています。

また、この2000万円は、相続開始より三年前以内の贈与であったとしても、相続財産に加算されません。これは結婚20年以上の夫婦にのみ適用されるもので、たとえ20年以上同居していたとしても、内縁関係だった場合は適用されないので注意しましょう。

その他にも、国内にある居住用の不動産、または不動産の購入資金であること、同じ配偶者から過去にこの特例の適用を受けたことがないこと、生前贈与された翌年3月15日までに、贈与を受けた配偶者が、その居住用不動産に居住し、その後も引き続き居住する予定であること、などの条件があります。

長年連れ添った妻へ、または夫へ、住まいを残してあげたいという気持ちがある場合は、この特例を利用しましょう。

 

親からのマイホーム資金の贈与

自分が住むための不動産、いわゆるマイホームを国内に購入、もしくはマイホームを改装する際、直系の親族(父母や祖父母など)から生前贈与を受ける場合に、贈与税の特例措置があります。

平成28年以降に贈与を受けた場合であれば、700万円まで、省エネルギー性の住宅や耐震性の高い住宅などを購入した場合は、なんと1200万円まで贈与税が課税されないのです。
この特例は、暦年贈与の110万円の基礎控除額とも併用が可能となっています。

さらに、夫の直系の親族、妻の直系の親族の両方から生前贈与を受けられるため、夫婦で合わせると最高で2400万円と基礎控除額分もが非課税となるのです。
住宅を購入し、両親、または祖父母からの援助を受けたいと考えている場合、この特例を利用しない手はありません。
税金対策として、援助する側もされる側も、是非知っておきたい特例です。

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