贈与・生前贈与 2017.10.04
贈与税は0円にできる!非課税で財産を贈与する方法
贈与で財産を譲る場合、贈与を受けた側に多額の贈与税が発生するようなことがあれば、贈与するのを躊躇してしまうと思います。財産を贈与する際、贈与税の負担なしにできる場合もあります。ここでは、非課税で財産を贈与する方法について説明します。
贈与税の基礎知識
・贈与税とは
贈与税は、贈与により財産を取得した個人に課される税金になります。贈与とは、当事者の一方が所有している財産を他方に無償で譲渡する契約のことです。契約といっても、契約書がなければならないわけではなく、一方の「あげます」という意思と「もらいます」という意思が合致していれば、贈与となります。
・贈与税の非課税財産
贈与により取得した財産でも、その性質や贈与の目的などから、課税するのが適切でないものについては、非課税とされています。贈与税の非課税財産の主なものとして、以下のようなものがあります。
①法人からの贈与により取得した財産
法人から贈与により財産を取得した場合には、贈与税ではなく、所得税の課税対象になります。
②扶養義務者から生活費・教育費として贈与された財産
夫婦、親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるために贈与された財産については、通常必要と認められるものは非課税になります。
③香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなど
社会通念上相当と認められるものについては非課税になります。
・贈与税の計算方法
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に、贈与によって取得した財産の価格の合計額(課税価格)から基礎控除額(110万円)を差し引いたものに、税率をかけて算出されます。贈与税の税率は課税価格が大きくなるほど高くなりますが、一般贈与財産(特例贈与財産に該当しないもの)と特例贈与財産(祖父母や父母からの贈与されたもの)で異なり、特例贈与財産の方が優遇されています。
暦年贈与の非課税枠を使って財産を贈与
・毎年110万円以内の暦年贈与なら非課税になる
非課税で財産贈与を行う方法としては、基礎控除額の範囲内で贈与するという方法があります。贈与税には1年につき110万円の基礎控除枠がありますから、年間110万円以内の贈与であれば贈与税はかかりません。
基礎控除枠は毎年使うことができますから、たとえば1年につき100万円の贈与を10年間続けて1000万円の財産を譲り渡しても、理屈の上では贈与税は課税されないということです。このように、毎年基礎控除を受けながら贈与していく方法を暦年贈与といいます。
・連年贈与とみなされることがあるので注意が必要
年間110万円以内なら贈与税は課税されないといっても、毎年きまった時期にきまった金額の贈与を続けている場合には、一括した贈与とみなされることがあります。たとえば、1年につき100万円の贈与を10年間続けた場合、最初から1000万円を支払うつもりであったとされ、1000万円を基準に贈与税が課税されることがあります。このような贈与は、連年贈与または定期贈与と呼ばれます。
連年贈与と判断されないためには、毎年の贈与が別個の贈与であることがわかるようにしておく必要があります。そのためには、毎年贈与契約書を作成したり、贈与金額を変えたりするのが有効です。また、110万円を少し超える金額を贈与して贈与税の申告をしておけば、税金逃れとされる可能性も少なくなります。
特例等の非課税枠を使って財産を贈与
非課税でまとまった財産を贈与する方法として、時期を限定して適用される贈与税の非課税措置(非課税特例)を利用する方法があります。たとえば、贈与税には次のような特例が設けられています。
・住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置
父母や祖父母から20歳以上の子や孫に住宅取得等の資金を贈与した場合に適用されるもので、最大1200万円(※時期や住宅の種類によって変わる)が非課税になります。
・教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置
祖父母が子・孫名義の口座に教育資金を一括して拠出した場合に、1500万円までを非課税とする措置です。
・結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税
父母、祖父母等の直系尊属から20歳以上50歳未満の子、孫等に結婚・子育て資金を一括贈与する場合、1000万円までを非課税とするものです。
配偶者控除を利用して夫・妻に居住用不動産を贈与
夫婦間の居住用不動産の贈与については、配偶者控除として2000万円という大きな非課税枠が用意されています。2000万円以下の居住用不動産なら、配偶者控除を利用して非課税贈与が可能です。配偶者控除の適用要件は、次のようになっています。
①婚姻期間が20年以上であること
②居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
③贈与を受けた年の翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること
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