遺産相続・遺産分割 2018.03.24

子供がいない場合の遺産相続の方法を解説

近年進んでいる少子化や非婚化によって、遺産相続の際に相続人となりうる子供がいないという事態が多くなっています。

一般的に遺産相続では被相続人の子供が相続人となることが多いため、子供がいない場合には遺産相続はどうしたら良いのだろう?と考える方もいることでしょう。

しかし、遺産相続の際に子供がいないとしても、被相続人に配偶者や他の親族がいるなら、それほど心配し過ぎることはありません。ここでは、子供がいない場合の遺産相続はどうしたら良いか、対処方法をご紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

子供がいない場合、遺産相続の第二順位の者が相続人となる

遺産相続において相続人になることができるのは、子供だけではありません。遺産相続には順位があり、子供は第一順位の相続人であるというだけです。

遺産相続の相続人には第二、第三の者もおり、子供がいないとしてもそれら次順位の相続人が遺産相続を行うことになります。

ちなみに子供がいないとしても、被相続人の配偶者がいるなら、配偶者は各順位の相続人と共に、常に相続人となります。

子供がいない場合の遺産相続において一番に相続人になるのは、被相続人の直系尊属です。直系尊属とは、被相続人の父母や祖父母のことを表しています。

父母も祖父母もいる場合の遺産相続では、被相続人と世代が近い相続人を優先するため、被相続人の父母が相続人となります。父母の両方がいない場合に限り、祖父母が相続人となります。

子供がいない配偶者と直系尊属で遺産相続を行う場合には、配偶者が遺産総額の2/3の割合を、直系尊属が遺産総額の1/3の割合を頭数で等分して相続することになります。

 

直系尊属・子供がいない場合は、兄弟姉妹が遺産相続を行う

子供がいない遺産相続において、もし被相続人の父母も祖父母もいない場合には、第三順位の相続人の出番となります。第三順位とは、被相続人の兄弟姉妹です。

子供がいない配偶者と兄弟姉妹で遺産相続を行う場合には、配偶者が遺産総額の3/4の割合を、兄弟姉妹が遺産総額の1/4の割合を頭数で等分して相続することになります。

 

死亡などによって子供がいない場合は、その子供へ相続権が移行する

もし子供がいない理由が子供の死亡であり、死亡した子供に子供(被相続人の孫)がいるなら、その子供が代わりに相続人になることも可能です。

代襲相続と呼ばれるこの制度は、被相続人の直系卑属であればどこまでも無限に下の代へさかのぼって、親の代わりに相続人とすることができるというものです。もし死亡した子供に子供がいるなら、代襲相続をさせることも検討できるでしょう。

 

親族・子供がいない場合、配偶者だけの遺産相続も可能

直系尊属、兄弟姉妹、子供の子供もおらず、肉親が配偶者ひとりしかいないとしても、遺産相続で配偶者がすべての遺産を相続することは可能です。

配偶者には非常に高額な税額軽減措置もあるため、遺産相続で相当額の遺産を相続しない限り、配偶者が相続税を負担する可能性は低いと言えるでしょう。

ただそうなると、相続人となる配偶者自身の遺産相続が発生した場合には、また相続人がいなくなる可能性もあります。

この場合、生前に自分の意思によって財産を移動させたり、自分の死後に財産が他の人へ渡ったりするように遺言書で指定しておくこともできます。

 

遺産相続の相続人ではない人に財産を贈ることも可能

子供がいないとしても、自分の財産を自分の望む通りに処分したいと思うのは当然のことでしょう。

遺産相続で相続人がいなくなりそうな場合に財産を思い通りに動かす方法として、生前に財産を他の人へ譲る「生前贈与」や、自分の死後、遺言書の指定によって財産を特定の人へ贈る「遺贈」を活用することもできます。

贈与も遺贈も、遺産相続の相続人になることができない人へも行えます。例えば友人や、義理の息子・娘、従兄弟や再従兄弟など、自分が財産を贈りたいと思う人であれば誰にでも贈与できます。

生前に財産が減るのは心細い場合には、「私が死んだら財産をあげる」という、死因贈与契約をすることもできます。死因贈与には、受け取る側の人の同意も必要です。

特に財産を贈りたい相手がいない場合には、自分の死後には応援している法人や団体などへ財産を贈るよう遺言書で指定しておくことで、財産を思い通りに処分することができるでしょう。

 

まとめ

子供がいない場合でも他の親族がいるなら、遺産相続は通常どおり行うことができます。子供がいない、親族もいないとしても、自分の意思を反映した方法で財産を処分する方法はたくさんあります。

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