遺言 2018.02.02

遺言書の書き方を知っておこう!自筆証書遺言の作成方法とは?

自分が亡くなった後のことを考え、遺言書を作っておきたいと考える方は多いと思います。遺言書は書き方に注意しなければ無効になってしまうこともあります。ここでは、遺言書の中で最も手軽に作成できる自筆証書遺言の書き方を説明します。

記事ライター:ゆらこ行政書士

遺言書の書き方は法律で決まっている

・遺言には一定の方式がある

遺言とは、一般には自分の死後のことについて言い残す言葉という意味で使われています。ただし、民法上の遺言には、財産の処分方法などを決める強い効力が認められていますから、遺言の書き方にはきちんとしたルールが定められています。

民法では、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければすることができない」(960条)と定められています。すなわち、民法上のルールに従ってされた遺言のみが効力を有することになります。

・遺言の種類

民法上の遺言の書き方は、「普通方式」と「特別方式」の大きく2つに分けられます。このうち、特別方式の遺言は、死期が迫っていて普通方式では間に合わない場合に使われるものになります。通常のケースでは、普通方式の遺言の書き方で書くことになります。

普通方式の遺言には、次の3つがあります。

(1) 自筆証書遺言

遺言者が自分で手書きして作成する遺言の書き方です。遺言の存在も内容も秘密にすることができます。

(2) 公正証書遺言

公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、証人(2人以上)の前で作られます。遺言の存在を秘密にすることはできず、公証人と証人には遺言の内容を知られてしまうことになります。

(3) 秘密証書遺言

遺言者が自分で書いて封をした遺言を、公証人と証人(2人以上)の前に提出して作成する遺言です。遺言の存在は秘密にできませんが、遺言の内容については秘密にできます。

自筆証書遺言の正しい書き方

・自筆証書遺言のメリット

遺言書を書きたいと思ったとき、最も手軽なのが自筆証書遺言です。自筆証書遺言は、紙とペンさえあれば、思いついたときにすぐに書くことができます。自筆証書遺言なら、作成費用もかからず、誰にも内緒で書くこともできます。

・自筆証書遺言を書くときの注意点

自筆証書遺言は手軽に書けますが、書き方を間違えてしまうことがあります。自筆証書遺言の書き方を間違えれば、その遺言は無効となり、書いた意味がなくなってしまいます。自筆証書遺言を書くなら、書き方のルールをしっかり把握しておき、細心の注意を払って書くようにしましょう。

・自筆証書遺言の書き方のルール

自筆証書遺言を書くときには、以下のような点に気を付ける必要があります。

①全文を自筆で書く

自筆証書遺言は、その名のとおり自筆で書く遺言です。ワープロで作成した遺言は無効です。自筆で書いた遺言をコピーしたものもやはり無効になります。

②日付を自筆で書く

自筆証書遺言には必ず日付を書かなければなりません。何年何月何日ときちんと記載しなければならず、「平成○○年○月吉日」という記載は無効になります。

③署名・押印する

自筆証書遺言には氏名を自書、すなわち署名する必要があります。また、自筆証書遺言には押印も必要です。押印は認印でかまいませんが、実印を使えば本人が間違いなく自分の意思で書いたことの証明力が強くなります。

④訂正もルールに従って行う

自筆証書遺言は、訂正の仕方にもルールがあります。自筆証書遺言を訂正するときには、訂正箇所を二重線で消すなどしたうえで、変更後の文言を記載し、訂正箇所に印鑑を押し、その近くに何字抹消して何字加筆したかを付記し、付記した部分にも署名しなければなりません。訂正の仕方を間違えると、訂正が無効になってしまいます。心配な場合には、最初から書き直した方がよいでしょう。

遺言書の書き方を間違えて無効になるのを防ぐには

・自筆証書遺言には書き間違い等のリスクがある

遺言を書きたい場合、自筆証書遺言なら費用をかけずに手軽に書くことができます。しかし、自筆証書遺言は書き方を間違えると無効になってしまうというリスクがあります。また、自分だけで遺言を作成すると、遺言の内容があいまいになってしまい、遺言の解釈をめぐってトラブルになることもあります。

・自筆証書遺言はチェックしてもらう

自筆証書遺言の書き方を間違えないために、専門家に遺言をチェックしてもらう方法があります。行政書士、司法書士、弁護士といった専門家に自筆証書遺言のチェックを依頼すれば、形式面に不備がないか確認してもらえるだけでなく、内容についてもアドバイスが受けられます。

・公正証書遺言なら安心

遺言の書き方を間違えることなく、有効な遺言を作成するために、公正証書遺言を活用する方法があります。公正証書遺言は公証人が法律に則って作成しますから、形式面で無効になる心配がありません。また、公証人は法律の専門家ですから、公正証書遺言にすれば、遺言の内容があいまいになる心配もなくなります。

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