贈与・生前贈与 2017.12.11

生前に財産を分与して税金を節税しよう

財産を与える側の人が亡くなってから財産を分配することは「相続」となり、相続税という税金が課されてしまいます。

しかし生前に財産を分与しておくなら、財産を受け取る人が負担する税金の額を減らしたり、場合によっては税金を課されずに分与したりできる場合もあります。

この記事では、生前に財産を分与することの税金上のメリットや、生前に財産を分与する際に利用できる控除や特例などをご紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

生前に財産を分与する税金上のメリット

生前分与(贈与)とは、財産を分与する側の人が生存しているうちに財産を他の人に与えることです。

生前に財産を分与するメリットは、相続人となる人の税金負担を減らすことができるという点です。財産を分与する側の人としては、配偶者や子供が払う税金を少しでも軽くしてあげたいと思うのが自然でしょう。

注意したいのは、税金対策としての生前の財産分与はただ財産を分配してしまえば良いというものではありません。場合によっては、相続税よりも高額の税金を徴収されてしまうこともあります。

ですから次で取り上げるような控除や特例を活用して、上手に税金を節税しつつ生前分与する必要があるのです。

 

生前に財産を分与する際の税金の控除・特例

ここからは、生前に財産を分与する際に活用できる税金面の控除や特例について詳しく紹介します。

1.基礎控除

生前に分与した財産には、贈与税という税金が課されることとなります。贈与税には基礎控除額があり、1年間で財産を譲り受ける人1人あたり110万円までの分与なら税金は課さないとされています。

とは言え毎年110万円を生前分与し続けてしまうと、最初からまとまった金額を生前分与するつもりだったと見なされてしまい、結果的に贈与税として高額の税金を徴収されてしまうことがあります。

そのような事態を避けるには、続く部分で紹介する控除や特例と上手く組み合わせながら基礎控除を利用すると良いでしょう。

2.配偶者控除

婚姻関係が20年以上続いている夫婦間で日本国内の居住用不動産を譲る場合、基礎控除の110万円に加え最高2,000万円までは税金がかかりません。つまり最大で2,110万円分の税金控除が適用されるのです。

注意したい点として、同じ配偶者からこの控除を受けられるのは一度限りです。また、不動産取得税や登記費用は通常通り発生します。さらに、この税金控除を活用して譲り受けた居住用不動産には、その後も引き続き居住することが条件となっています。

3.相続時精算課税の特例

60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫へ生前分与した財産については、2,500万円までなら税金がかかりません。2,500万円を超えた分は、一律で20%の税金が課されます。

相続時精算課税制度は、親や祖父母が任意のタイミングで子や孫に財産を生前分与できる制度となっています。生前分与する財産の種類に制限はなく、不動産でも現金でも生前分与が可能です。

生前分与された財産は相続時には相続財産として加算されますが、すでに支払った税金は控除され、控除しきれない税金は後日還付されることになります。

この税金特例措置を利用する場合の注意点は、この特例を選択した後は110万円の基礎控除が適用されなくなることです。

さらに、不動産などを譲り受けた場合は経年によって価格が下がったとしても、生前分与された当時の価格で相続財産に加算されることになります。つまり、将来相続税として支払う税金が割高になる可能性もあるということです。

4.住宅取得資金贈与の特例

居住用の不動産を国内に購入または改装するために親からの生前財産分与を受けた場合にも、税金面の特例があります。省エネ住宅や耐震性の高い住宅を取得すると、生前分与される人1人あたり最大で1,200万円まで控除となります。

夫婦双方がその直系親族から分与を受けた場合も、同額の税金特例措置を受けられます。つまり夫婦合わせて最高2,400万円の生前分与なら税金がかからないことになります。

この特例の場合、生前分与された財産が住宅の取得または改築のための資金に充てられることが条件です。また、生前分与を受ける側は20歳以上である必要もあります。

 

条件を正しく理解して効率的な節税を

生前に財産を分与して税金を節税するためには、基礎控除の利用・相続時精算課税制度の活用・住宅取得資金贈与の特例の活用・配偶者控除の利用などがあります。

それぞれに満たすべき条件がありますので、正しく理解して税金を節税しましょう。

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