贈与・生前贈与 2017.10.04

贈与税に注意!夫婦間贈与で課税されないために

贈与税は、財産の贈与があったときに贈与された側に課される税金です。贈与税は、家族や親族間でも課されますが、夫婦間贈与については、課税対象になるケースとそうでないケースがあります。ここでは、贈与税の心配なく夫婦間贈与を行うための基礎知識をまとめています。

記事ライター:ゆらこ行政書士

贈与税は夫婦間の贈与にも課税される?

・夫婦間の生活費の贈与については非課税

贈与税というのは、たとえ夫婦間でも原則として課されます。しかし、夫婦間では、お互いに扶養の義務がありますから、一方が他方からお金をもらうということは日常的にあるはずです。たとえば、専業主婦の妻が夫に養ってもらっている場合、それで妻に贈与税が課されるとなると、あまりに不合理です。

贈与税に関しては相続税法という法律で定められています。相続税法では、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については、贈与税は非課税とされています。つまり、夫婦間で生活費を贈与する場合には、贈与税が課される心配はないということです。

・非課税となる生活費は「通常必要と認められるもの」

夫婦間なら、生活費名目で贈与すれば何でも非課税になるわけではありません。非課税となる生活費の贈与は、「通常必要と認められるもの」に限られます。つまり、日常生活に現実に必要なお金であれば、金額にかかわらず贈与税はかからないということです。

なお、不動産や株式など、経済的に価値のある財産の贈与が行われた場合には、たとえ夫婦間でも贈与税がかかります。また、生活費として贈与された場合でも、そのお金を株式等の購入資金に充てたような場合には、贈与税の課税対象となります。

 

夫婦間で贈与税が問題となるケースとは?

贈与税が夫婦間で問題となる例として、以下のようなケースがあります。

・不動産の購入資金の負担割合と持分の割合が一致しない場合

夫婦で不動産を購入する場合に、夫婦共有の名義にすることがあると思います。もし購入資金をすべて夫が負担したにもかかわらず、夫、妻の持分がそれぞれ2分の1であったなら、夫から妻へその不動産の2分の1を贈与したのと同じことになります。このような場合には、贈与税の課税対象となってしまいます。

・一方が債務者である住宅ローンを他方の収入で返済した場合

共働きの夫婦なら、住宅ローンの債務者は夫になっているけれど、実際には妻の収入から返済しているといったこともありがちです。このような場合にも、妻から夫への贈与があったとされ、贈与税が課される可能性があります。

・夫婦間で口座移動した場合

夫婦の一方の預金を他方の口座に移した場合にも、贈与税が問題になります。ただし、生活費を移動させただけなら、基本的に贈与税はかかりません。生活費以外については、その預金に預けられたお金はどちらのものだったのか、預金を実質的に管理していたのはどちらなのかといった事情により、実質的に贈与が行われたかどうかを判断することになります。

 

贈与税には配偶者控除という特例がある

・夫婦間の不動産の贈与には特例がある

不動産というのは財産的価値のあるものですから、不動産の贈与を行った場合には、贈与税が課されます。しかし、夫婦間の不動産贈与については、配偶者控除という制度により、2000万円まで非課税になることがあります。贈与税には110万円という基礎控除もありますから、配偶者控除が受けられる場合には、最大で2110万円を非課税贈与できます。

・贈与税の配偶者控除の適用要件

夫婦間の不動産贈与について、贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、次の要件をみたす必要があります。

①婚姻期間が20年以上であること

②居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること

③贈与を受けた翌年3月15日までにその不動産に居住し、その後も引き続き居住すること

・贈与税の配偶者控除の注意点

贈与税の配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については1回しか受けられません。離婚などにより別の配偶者と再婚した場合には、再婚後20年経てば利用できる可能性があります。

また、贈与税の配偶者控除を受けて納付税額がゼロになる場合でも、贈与税の申告は必要です。贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間にしなければなりません。申告しない場合には、贈与税の配偶者控除を受けられないことになります。

なお、相続税には、相続開始前3年以内に相続人等に対して行った贈与の額も相続財産の額に加算される生前贈与加算の制度があります。しかし、贈与税の配偶者控除を受けた金額については、生前贈与加算の対象とならないというメリットもあります。

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